益川塾セミナー「ネーター不変量としての熱力学エントロピー」

2016.07.08

益川塾では下記の通り、セミナーを開催いたします。
皆様のご参加、お待ちしております。
講師 佐々 真一 氏(京都大学)
講演題目 ネーター不変量としての熱力学エントロピー
日時 2016年8月2日(火)15:00~
場所 京都産業大学 1号館4階 談話室
対象 一般・学生・教職員
申込 事前申込は不要。当日、直接、1号館4階 談話室へお越しください。
参加費 無料
概要

「ブラックホールエントロピーはネーター電荷である」というタイトルの論文がある[1]。
この研究結果に動機づけられて、熱力学エントロピーをネータ—不変量として特徴づけた [2]。
具体的には、時間に関して非一様な変換を考え、対称性が存在する条件を書き下し、それを満たすものがあるかどうかを問うた。その結果、作用の引数をあるクラスの軌道に制限したときに、(一般化された意味で)対称となる変換があることが分かった。特に、巨視的な系で示量的なネーター不変量を導く場合には、その変換は本質的に一意に定まり、そのときのネーター不変量はボルツマン公式によって与えられたエントロピーと一致した。

この理論のもっとも驚くべき結果は、古典力学系を解析しているにも関わらず、「作用の次元をもった普遍定数」が時間の非一様変換に現れることである。これは、エントロピーと量子論の深い関わりを示唆しているのかもしれない。
本研究結果は、横倉祐貴氏(理研iTHES)との共同研究によるものである。

[1] R. M. Wald, Phys. Rev. D 48 R3427 (1993).
[2] S. Sasa and Y. Yokokura, Phys. Rev. Lett. 116 140601 (2016); Editors’
suggestion http://arxiv.org/abs/1509.08943

お問い合わせ先
京都産業大学 研究機構(益川塾)
〒603‐8555 京都市北区上賀茂本山
Tel.075-705-3105
mtrec-office@star.kyoto-su.ac.jp
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