留学体験レポート

弦本 さつき ユヴァスキュラ大学(交換留学)

留学期間 国名 留学先大学名 留学の種別
2011年7月31日から
2012年5月30日まで
フィンランド ユヴァスキュラ大学 交換留学

 私が留学先にフィンランドを選んだ理由の一つとして、第一言語が英語ではないということでした。私は英米語学科なのですが、英米語専攻だからといって英語だけの学習に集中したくありませんでした。昔から他言語を勉強することが好きだったこともあり、教育にも興味があったのでフィンランドの教育水準の高さから、フィンランドという国は私にとって最適の留学先だったのです。新しい言語と見知らぬ土地で一から自分の力で学び、自分自身に挑戦しようと決め日本を発ちました。

 実際、フィンランドへ着いて生活することは少し困難でした。フィンランド人は、フィンランド語、英語に加えスウェーデン語を常備している人が多いのですが、標識やスーパーでの表示はすべてフィンランド語又はスウェーデン語だったので単語を覚えるまでに時間がかかりました。しかし、ユヴァスキュラ大学が8月に開講しているフィンランド語の集中講座でたくさんの留学生と交流を持つことができ、ともに苦しみを分かち合いながら切磋琢磨することで、難しい学習も楽しいものへと変わっていきました。フィンランド語は他の言語との類似点が少なく習得するにはとても難しい言語でした。フィンランド語を勉強し続けるのを止めようかと思った時もありましたが、諦めず10か月間努力し続けて、完璧とまでは至りませんでしたがフィンランド人との日常会話のやりとりは簡単にできるようになりました。その時は辛くても、何かをやり遂げるという達成感は、継続して努力したからこそ得られました。

 始めに、第二言語習得が留学先を選択した理由の一つであると言いましたがフィンランドにはたくさんのヨーロッパの国々から留学生が来ていました。初めはあまり気に留めていませんでしたが、友達が増えていき同じ時間を共有し、いろんな話をすることによって、英語はツールだということを実感することができました。彼らも英語圏ではなく、それぞれの母国語をもっているのです。その中でも、英語を流暢に話す学生やそうでない人もいます。ただ、伝え方というのは一通りではありません。難しい単語であれば簡単に言い直したり、ジェスチャーを使ったりなど、伝わらないからと言ってすぐに諦めてしまっては、留学の意味はありません。伝えようとする気持ちや相手を理解する姿勢を持つことが大切だと思います。

 最後に、今回の留学を終えて、自分が今まで学習してきたことは不十分であり、世界には未知なものが広がっていると気付くことができました。今回何もない状態からフィンランド語という一つの言語を学習したことで大変さと同時に学ぶことの楽しさも改めて知ったのです。留学経験を通して思ったことは何事にも恐れず挑戦し続けることを忘れない事です。失敗してこそ、人間というのは学ぶことができるのだと思います。やらなければ、自分も自分の価値観も変わりません。その場所でしか経験できないことを進んでするべきです。ただ、自分一人で行動し続けるのではなく、辛いときに自分には支えになってくれる人や助けになってくれる人がいるということを忘れずに感謝の気持ちを持つことは、どこにいてもとても大事だと思います。

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