むすびわざ講座「これからの遺言と相続」開催

2015.09.12

 9月12日、むすびわざ館において、法務研究科 渡邉 泰彦 教授が講師となり、生涯学習むすびわざ講座公開コース「これからの遺言と相続」を開催した。

 渡邉教授は、遺言と相続をめぐる問題について、遺言があるためにかえって相続人の争いが激しくなる「争族」になる可能性もあるが、正しい遺言であれば「相続」は「争族」になりにくいと説明。正しい遺言の書き方を中心に、実際の相談例を用いながら相続をめぐる問題について紹介した。

 法律的に意味のある内容を「遺言(いごん)」といい、一般的に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」がある。遺言のほとんどは自筆証書遺言であり、遺言には有効期限が無く、複数の遺言がある場合は後の日付のものが有効になるといった遺言の種類の説明や、自筆証書遺言の共同遺言の禁止や、訂正の方法である加除変更について、また公証人によって作成される「公正証書遺言」に関して、相続人が遺言を使って自分が有利になるように相続を増やそうとする場合におこるトラブル、被相続人の財産の中で法律上その取得が一定の相続人に留保されている、「遺留分」などが説明された。

 雑談をまじえながらのテンポの良い解説に、参加者からは「専門的な法律用語ばかりでなく具体的な事例で、遺言の全体像がよく分かった」「日常生活に即した内容で大変わかりやすく、興味を持つ良いきっかけとなった」という声が寄せられた。
社会的に関心の高い「相続と遺言」の問題について、約90人の参加者が熱心に受講した。
トラブルになりやすい自筆証書遺言の加除変更について説明する渡邉教授
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