京都産業大学×箕面公園昆虫館 夏休み講座inグランフロント大阪 「昆虫からのメッセージ」

2015.08.04

 8月4日、グランフロント大阪にあるCafe Lab.において、京都産業大学×箕面公園昆虫館 夏休み講座inグランフロント大阪「昆虫からのメッセージ」を開催した。

 今回の講座は本学と連携協定を結んでいる箕面公園昆虫館とのコラボイベントとして「昆虫」をテーマにして開催した。

 講師は本学ミツバチ産業科学研究センター長の野村 哲郎 教授、同センター員の松本 耕三 教授と、人気テレビ番組をはじめ各種マスコミに登場している箕面公園昆虫館の久留飛 克明(くるび かつあき)館長が担当した。

 一時間目を担当した久留飛館長は「昆虫は何者か?」というテーマで、空を飛ぶ様々な動物や植物を昆虫と比較した話を通し、生物の進化について講演した。生物の中には厳しい環境で生き抜くために進化し、「飛ぶ」という力を得たものが多くいる。飛ぶために体の一部を進化させた「翼」や「膜」といった特徴は、彼らの生きるための「道具」である。そういった生物の「道具」の仕組みを観察することや、学校で学んだことを身に着けることが、人間にとって生きるための「道具」になるという話には、小学生だけでなく、一般の方にとっても新鮮な話であったとの声があった。

 二時間目を担当した野村教授は「昆虫から学ぶ生物の進化:テントウムシと地球温暖化」というテーマで、生物の進化について、昆虫を題材に講演した。「キリンはなぜ首が長くなったのか?」という話題から、生物の進化は一個体の「努力」ではなく、たまたま環境に適応することが出来た「遺伝子」の力であったという説には、目から鱗が落ちたという声が上がっていた。また、野村教授はこれまで国内で5万匹を超えるテントウムシを採取し、気候によってテントウムシの模様にどのような特徴があるのかを調査してきた。このことから、昨今の地球温暖化の経緯をテントウムシの模様から読み解くことが出来るとの話に、中学生からは研究活動のスケールに驚いたとの声が上がっていた。

 三時間目を担当した松本教授は「ハチミツ、ローヤルゼリーと糖尿病」というテーマで、ミツバチが生み出すハチミツやローヤルゼリーが糖尿病にどのような影響を与えるのかということを、動物実験のデータを基に解説し、その他、ミツバチに関するクイズを行った。「働き蜂」と言われる蜂は全てメスであり、オスは非常に少ないという事実はほとんどの方が知らなかったとの意見が出た。

 参加者からは「単なる昆虫の話ではなく、生物の進化を知ることで、人が生きて行くための知恵を得ることの大切さを教えてもらった」、「子供のころに生物に興味を持つことが、人の成長に大きな影響を与えることを感じた」などの感想や、さらなる続編を希望する声があった。
「飛ぶ」生物の特徴について解説する久留飛館長
自身が採取したテントウムシを解説する野村教授
大学内や北海道で採取したテントウムシの標本
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