神山天文台 天文学講座 第2回 地球惑星科学振興西田賞 受賞記念講演「太陽系の起源を求めて」

2015.05.16

5月16日、神山天文台サギタリウスホールにて、第一回地球惑星科学振興西田賞を受賞した河北秀世氏(京都産業大学神山天文台長・理学部教授)による受賞記念講演「太陽系の起源を求めて」が行われ、39名の参加があった。

 講演では、河北氏が京都産業大学へ着任してからの10年間に行ってきた様々な研究について、「太陽系の起源」という観点から、一般の方にむけて分かりやすく説明があった。

 河北氏は、京都産業大学に着任する以前から彗星の研究を行っており、太陽系が誕生した46億年前の太陽系の様子を、当時の情報を保持している彗星という天体の成分から探るという研究テーマであった。特に、河北氏が本学に着任した2005年にはNASAが行った彗星探査計画DeepImpactによって彗星核内部の様子がくわしく分かるようになったことや、その結果、現在までに多くの彗星を観測した結果、彗星が水の氷のほかに様々な有機物質を含んでいることが明らかになった。地球の生命の起源にもつながるかもしれないとこことである。本学の学部・大学院生が多くの論文を出版しており、今回の賞についても、学生たちとの共同研究のたまものであると河北氏が語っている。

 また、20010年からは新星の研究も始めており、こちらも本学学部・大学院生たちと一緒になって始めた研究である。その中で、世界初の発見が神山天文台の荒木望遠鏡で成し遂げられるなど、非常に素晴らしい成果を生んでいる。太陽系の起源物質を解明するうえで、重要な成果となった。それらもすべて、学生たちの観測研究があればこそであったと、河北氏は語っている。

 今回の講演会は中学生以上が対象という事で、専門家以外の参加者にも分かり易く丁寧に解説されており、講演後に質問も出ていた。参加者は、楽しい雰囲気の中、皆非常に満足していたようである。あいにくのお天気のため観望会は中止となったが、引き続き行われた3D映像の上映にも多数参加があった。
講座の様子 
アストロノミー・カフェで河北台長と交流する聴講者ら
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