生涯学習むすびわざ講座公開コース「日本の冬季気候の変動について」開催

2015.05.09

5月9日、本学むすびわざ館において、生涯学習 むすびわざ講座公開コース「日本の冬季気候の変動について」を開講した。理学部 高谷 康太郎 准教授が講師となり「日本の冬季気候の変動について」と題して講義を行なった。
過去25年間ほど暖冬が多いにもかかわらず、再び寒冬・豪雪が増える傾向があるなど、日本の冬の異常気象について、「日本の冬で異常気象が起きている時、大気循環には何が起きているのか」「異常気象を引き起こす原因は何か」をテーマにした講義が行われた。身近で関心の高い話題についてということもあり、参加した約60人は熱心に受講した。
高谷准教授は、日本の冬期の気候とヨーロッパ付近から始まる偏西風の関係について解説し、ユーラシア大陸上に現れる背の低い寒冷な「シベリア高気圧」が強化され、東アジア付近に寒気が吹き出す偏西風の蛇行の典型的なパターンについて説明した。
また、「エルニーニョ」「ラニーニャ」などの熱帯海水温変動が、暖冬や寒冬に必ずしも影響があると明らかにされていない、という点についても解説し、異常気象について、表面的に何が起こっているかはわかるが、どのようなメカニズムによってそれが起こっているのかについてはまだ解明されていないことが多いと話した。
受講した参加者からは、「テレビの天気予報の解説を違う角度で見られるようになり、関心が深まった」「エルニーニョ、ラニーニャについてはよく耳にしているが、気候に影響を与えるのかどうかよく分からないのは驚いた」などの感想が寄せられた。
講義を行う高谷准教授と熱心に聴講する受講生
北半球が冬季の時の平均的な西風分布についてデータを用いて解説された。
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