「スポーツと人間形成」で京都新聞社の宮部 真典さんが講義

2014.05.23

 本学卒業生で現在は京都新聞社編集局運動部長代理として活躍されている宮部 真典さん(1991年経営学部卒)が5月23日、共通教育科目「スポーツと人間形成」でゲストスピーカーとして本学を訪れ、講義を行った。

 講義は、長年新聞記者として多くのアスリートを取材してきた経験から得た気づきを学生に伝えようと『鍛えた身体と知的冒険』をテーマに2008年北京オリンピック陸上銅メダリストの朝原 宣治選手とラグビー日本代表の伊藤 鍾史選手(2003年経済学部卒)について語った。

 朝原選手は15歳で競技を始め、高校・大学・社会人と華やかな競技人生だと思われているが、実際には36歳で結果を出した苦労続きの選手である。その朝原選手が競技生活21年目にして成功できたのは、コーチをつけず非常にハードで厳しい状況で自らを鍛えていたこと、素人の意見にも耳を傾け、練習方法を試し、どんなことにもチャレンジしていたことが理由だと紹介した。朝原選手は、「究極の走りを完成させるために自らの走りをひたすら研究することがおもしろい」と話されており、“知的にスポーツに迫る才能”が36歳でのメダル獲得に繋がったと伝えた。

 高校、大学と無名選手だった伊藤選手は、31歳で初めて日本代表に選出された。遅咲きでの活躍について「厳しい時が何度もあったが、諦めずに努力を続けたことが成功に繋がった」と解説し、その具体例として2009年に所属チームを移籍した際に旧チームの承諾を得られず1年間公式戦に出場できかなったことや選手として一番充実していた2011年ワールドカップで日本代表に選出されなかったことを挙げた。そして、努力はやろうと思えば誰もができることと前置きしたうえで、「努力すれば必ず日本代表になれるわけではない。でも努力しないと日本代表にはなれない。この命題にどのように向き合うかが大切である。これは合理性や費用対効果を重視する考え方では測ることができるものではない」と学生に伝えた。

 最後に、「“鍛えた身体と知的冒険をすること”により、自信・失敗・苦しみ・喜び・楽しみなど多くの経験をしてほしい。大学で有意義な時間を過ごせるかどうかは自分次第」と学生にエールを送った。

学生に語りかける宮部さん
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