生涯学習 教養講座「物性が拓く新しい世界」の開催

2013.12.04

 全4回の教養講座「物性が拓く新しい世界」が、12月4日・11日の2日間にわたり、むすびわざ館にて開催された。

 本講座では、「物性が拓く新しい世界」というテーマのもと、各講師の教育・研究を活かした講義が行われた。

 第1日目は、第1講座 理学部 押山 孝 教授による「空気で覆われない世界—固体表面の超格子構造—」が開講され、超格子構造について超高真空状態のもと、低速電子線回折法を用いた原子の周期的配列構造や、XPS法を用いた表面の電子状態について解説した。また、第2講座 理学部 下村 晋 教授の「X線で見る原子の並びと物質科学」では、約100年前に結晶構造を調べる有用な方法であるX線回折が物質科学に果たす役割についても紹介した。

 第2日目は、第3講座 理学部 山上 浩志 教授が「物質中の電子の状態と電子物性」をテーマに物質の構造と機能について、基礎となる物質中の電子の状態と電子物性の解説を行った。また、第4講座 理学部 鈴木 信三 教授「炭素ナノ構造体が拓く世界」として炭素ナノ構造体について、構成のしくみや物理化学的性質と応用についても紹介された。
物性の世界を深めてもらうために、より身近な生活の物理現象を用いての説明があり、受講者は興味深く聞き入っていた。

 受講生は講師の話に聞き入り、講義終了後には、「物質中の電子の状態と電子物性においては絶縁体でも電場、圧力等条件を与えれば電流が流れるという話には大変驚かされた。」、「日頃接する事が少ない事柄に触れられて良かった。」などの感想がよせられた。
XPS法を用いた表面の電子状態について解説する押山教授
炭素ナノ構造体についてアーク放電法を紹介する鈴木教授
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