国際セミナー「韓国における鳥インフルエンザの発生・防疫対応・研究」開催

2010.12.16

 12月16日(木)、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターと鳥取大学農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センターが主催し、国際セミナー「韓国における鳥インフルエンザの発生・防疫対応・研究」を京都ガーデンパレス(京都市上京区)で開催した。
 今回のセミナーは、平成20年度から採択を受けている『私立大学戦略的研究基盤形成支援事業』の研究活動の一環として実施したもの。
 日本、韓国ともに国内での高病原性鳥インフルエンザに罹患した鶏が見つかっており、これまでも同時期に発生することが多かった。韓国での鳥インフルエンザの発生状況や防疫対応について現状を把握し、日韓で情報を共有することが、東アジアでの防疫を考えるために重要となる。
 セミナーでは、韓国を代表する鳥インフルエンザの研究者として、宋 昌宣 建国大学獣医学部教授、李 倫廷 国立動物衛生検疫院感染病研究部鳥インフルエンザ研究室長、金 載弘 ソウル国立大学獣医学部教授が講演。韓国における鳥インフルエンザ防疫体制、韓国で起きている鳥から犬への鳥インフルエンザウイルスの伝播について、韓国と日本で発見されたウイルスの類似性について、また、養鶏場やアヒル・鴨農場などでの鳥インフルエンザ検査方法などについて説明した。
 金 ソウル国立大学獣医学部教授は、「悪性病原体に対して、日本と韓国は同じ船に乗っているようなもの。対応には日本と韓国の緊密な関係維持と積極的な情報交換が望まれる。」と今回の国際セミナーが有意義な機会であったことを述べた。
 このセミナーには、大学の研究者や、自治体の担当者などが参加し、伊藤壽啓 鳥取大学農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター長も参加して行われた質疑応答のコーナーでは、韓国の講演者からも、日本の状況について会場の参加者に熱心な問いかけが行われるなど、鳥インフルエンザの脅威にどのように対応するか、国を越えての討論が行われた。
挨拶を行う大槻公一京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長
韓国と日本のウイルスの発生状況の比較などが行われた
会場の参加者、講演者を交えた熱心な質疑応答が行われた
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