第3回天文台講座「銀河の中は、爆発だらけ」

2010.12.11

 第3回天文台講座が12月11日(土)16時から神山天文台サギタリウスホールで開かれ、新井 彰 理学研究科特定研究員が「銀河の中は、爆発だらけ」と題して講演し、一般から47人が参加した。

 神山天文台では、教育・研究スタッフの専門分野の話題を中心に、天文台で行われている天文学の研究や観測技術の研究・開発について紹介し、地域の方々が天文台の研究者と気軽に交流できる場を目指して天文台講座を年4回開催している。

 新井講師は、講演の最初に銀河と恒星の進化について一般的な知識を、わかりやすい図表を使って説明を行い、これらの恒星が大きくわけて新星と超新星の2種類の爆発現象を起こすことを紹介した。

 まず、新星とは太陽のような星の「燃えカス」である白色わい星へその連星からガスが流れ込み、濃度が高くなって発火した際に起こる爆発現象であり、我々の天の川銀河では1年に10 程度発見され、爆発でガスが飛び散る速さは秒速でおよそ1000km程度になることを説明した。

 一方、新星よりもさらに明るい、超新星爆発という現象があることを紹介し、超新星爆発の明るさは銀河1個ぶんにも相当するすさまじいもので、そのメカニズムで何種類かに分類できる。このうち、大きな質量の星がその一生の最期に起こすと考えられている超新星爆発について解説を行い、そのガスの飛び散る早さは秒速1万km程度にも達することを説明した。

 また、新星、超新星ともに、爆発で飛び散るガスの速度はその天体の光を虹のように分けて調べることでを推定できることを説明し、神山天文台において実際に観測・研究を行っていることも紹介した。

 説明後、水素・水銀・ネオンのランプを簡易分光器で見る実験を行い、ふだんは見ることがないスペクトルを見られたことで、参加者には大変好評だった。

 講演の最後には質疑応答を行い、多数の質問が寄せられ、新井 研究員、中道 専門員が回答した。
スペクトル実験について解説する新井特定研究員
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