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人生は一度きり 田中史朗

PROFILE

プロラグビー選手 田中 史朗さん [ 2007年 経営学部 卒 ]
1985年生まれ、京都府京都市出身。卒業後、三洋電機ワイルドナイツ(現パナソニック ワイルドナイツ)に加入。2012年、ニュージーランドのハイランダーズに日本人として初めて入団しスーパーラグビーに参戦。2015年のハイランダーズ優勝により、日本人選手として初めてスーパーラグビーの栄冠を得た。同年のワールドカップ予選リーグでの日本の3勝に貢献した。

田中選手が日本代表候補選手に選出 日本初開催!ラグビーワールドカップ9月20日開幕卒業生の活躍を応援しよう!

海外で突きつけられた
現実と挫折、そして新たな希望の光

私のラグビー人生における大きな転機は、高校2年生のときの京都府大会決勝で負けたこと。引退を迎えた先輩から「次はお前たちががんばれ」と言われて、自分の中で何かが変わり、どうせやるなら、もっと楽しまなきゃと考えを改めました。その頃からスーパー12※1を見始め、いつか海外でプレイしたいと思うように。願えば叶うものですね。大学2年生に上がるとき、監督から「ニュージーランドへ留学しないか」と声をかけてもらいました。英語を話せないのは不安でしたが、大好きなラグビーの本場で挑戦できる。人生にこんなチャンスは二度とないと思いきって決断しました。ところが、悲しいことに、現地ではやはりフィジカルの違いに圧倒されました。同い年の選手なのに、足の速さや体の強さなどまったく歯が立たない。やっぱり小さいとダメなのか……。諦めかけた僕を引っ張り上げてくれたのが、今日本代表とサンウルブズでコーチをしているトニー・ブラウンでした。散々怒られながらも「体の小ささを活かせるように頭を使え」とあるとき教わりました。その瞬間から僕のラグビーは変わりましたね。ラグビーが、フィジカルだけで決まるスポーツではなくなりました。

理想とするラグビーを目指して
毎日を存分に楽しみたい

体で勝てないなら頭で勝つ。相手に対して、どのように動くと抜けるのか。練習中もずっと考えました。考え続けて練習したおかげで、試合では考えるよりも先に体が動くようになりました。大学時代に全国大学選手権でベスト4、卒業後に入ったチームでは日本選手権優勝。2015年にはスーパーラグビーのハイランダーズで優勝も経験して全日本代表、そして「あの南アフリカ戦※2」ではマン・オブ・ザ・マッチに選んでもらえました。いろいろなチームでプレイし、人より圧倒的に多くの試合で戦ってきました。試合経験では誰にも負けないし、それが僕の財産になっています。最近では1秒余裕があれば、まわりの状況を把握し、動けるようになり、追い求めてきた「賢い」ラグビーにさらに一歩近づけたと思います。今年9月には、いよいよ日本初開催のラグビーワールドカップが開幕します。ラグビーの素晴らしさをもっと広げていきたいですし、日本の良さを世界の人たちにアピールしたいと思っています。

※1 スーパー12:現在行われているラグビーの国際リーグ戦「スーパーラグビー」の前身(1996年~2005年)
※2 2015年、イングランドで行われたワールドカップにおいて、通算16連敗中だった日本代表が、過去2回の優勝経験を持つ南アフリカ代表を終了間際に劇的なトライで勝利した試合。

田中さんからひとこと!

挑戦に踏み出す
ための、合言葉

やりたい事にチャレンジ

チャレンジし続けること

大学にいる間に、将来どうしたいかを真剣に考えてほしい。僕は世界でラグビーを楽しみたいと思いました。だから、ここまで来れたのだと思います。同じがんばるなら、楽しめるテーマを見つけてください。やりがいは生きがいになるし、何かに打ち込める人生ほど素晴らしいものはないでしょう。そして、できれば海外にも目を向けてほしいですね。世界に飛び出して友だちを作れば、ものごとを見る目や考え方が広がります。その先には新しい世界がきっと見えてくるはずです。

とにかく楽しめることに取り組もう

vol.83 サギタリウス 2019年3月22日発行

サギタリウスに載りたい人募集!京都産業大学 広報部までお問い合わせください。E-mail:ksu-sag@star.kyoto-su.ac.jp TEL:075-705-1411

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