本学の教育改善活動について知る

京都産業大学における対話とは

「言葉を通して率直に話し合う中で、お互いの差異を擦り合わせ、何か新しいものを共に創っていくこと」、そして、「相手の価値観(異文化・異文脈)を受け入れ、1人の人間として尊重し合う活動のこと」を、本学では「対話」と呼んでいます。

学生 -教員間の授業に関する「対話シート」における「対話」

図1:学生 - 教員間の授業に関する「対話シート」における「対話」活動
京都産業大学では、一方通行になりがちな授業に関する「対話」を促進するツールとして、「対話シート※」を全授業に取り入れています。通常、特に大 規模授業では、教員と学生の距離は遠く、互いに何を考えているのかを知ることが難しい状況で、授業という一つの場を共有することになります。対話シート は、学生から授業に関する不満や要望を伝えることを促し、不満・要望が教員に伝わるきっかけを提供しています。教員は、学生の授業に関する不満・要望を 知った上で、授業の方法に関する想いや、自分の授業スタイルの背景を語ることが可能となっています。一方、学生は、教員の想いや背景を知った上で、授業を 受講することができ、互いの合意に基づいた授業を創り出すことが可能な環境となっています。

※各教員が授業に合ったフォーマットを作成することを前提とした取組です。ただし、共通フォーマットとしてセラデスから教員室に配布されたものを使用することも可能とし、教員が手軽に対話シートの取組を行うことができるよう配慮しています。

京都産業大学では、各学部、大学執行部のそれぞれの教育施策に関する方針を議論し合意していく「対話」のシステムとして、「学部まわり」を行っています。

「学部まわり」は、教育支援研究開発センターが、大学執行部と調整の上、全8学部を順に訪問し、学部長、学部長補佐(学部長を補佐する事務職員)と共 に、時に各学部のFD/SD委員や、カリキュラム委員を交えて、「対話」を行う取組です。  通常、各学部はそれぞれの専門教育の観点から独立した教育ビジョン(典型的には学部のディプロマ・ポリシーや教育目標等)を持っています。一方、大学執 行部は、大学全体を包括するような教育ビジョン(典型的には建学の精神等)を持ち、文部科学省の施策対応や、高等教育の最新動向に関する対応、競争的資金 の獲得に付いて等の戦略を持っています。

「学部まわり」では、「対話」により、学部・大学執行部が、それぞれの教育戦略や現状分析をどのように行っているのか、互いに理解し合い、有機的に連携した上で、大学改革や教育プログラム改善についての合意を形成することが可能となっています。

この学部まわりにおける「対話」では、時に、大学執行部側から学部の教育改善に必要なデータ提供を行ったり、逆に、学部の教育改善に必要なデータについて大学執行部側にデータ提供の依頼が行われたりと、組織的なIRの機能も一部担っています。

このような活動は、一概に「トップダウン」「ボトムアップ」と二分できる教育改善活動ではなく、時に「トップダウン」的、時に「ボトムアップ」的、時に 「ミドルアップダウン」的な活動を可能としています。このような組織体制を備えていることが、京都産業大学の組織的特徴であると言えます。

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