経営学部 1年次生 二見　萌

作品概要

現在1回生、京都産業大学に入学して8ヵ月。
高校を卒業したことも既に遠い記憶になろうとしている。

私には打ち込み続けているものがある。それは小学生の時から続けている剣道である。
当時、小学4年生だった私は親戚の影響で何気なしに始めた剣道。しかし続けていくうちに勝ち負けなどだけではない、日本の古来から存在する“武道”の魅力にしだいに惹かれ、そして今でもその道を歩み続けている。

中学、高校と部活動はもちろん剣道部。そして特に私の高校生活は、インターハイ出場という目標にすべてが捧げられていた。私学に入学した私は毎日稽古に打ち込んだ。私の学校の剣道部は男子は長い歴史を持ち県内でも名前の知られているほうであったのだが、女子は私たちの代からスポーツ推薦の制度が出来たため、ほとんどすべてが初めての挑戦だった。1年生の春、チームのデビュー戦から近畿大会出場を決め、2年生ではインターハイ出場。
毎日の稽古、だけではなく剣道をしている者としての自覚を常に持ち日々行動していく中での厳しい環境も2年が過ぎついに3年生最後のインターハイ予選を私は迎えた。

私の高校生活最後のインターハイ予選。
まさに「勝っても負けても最後」である。剣道の団体戦とは先鋒から大将までが順番に戦い、勝者の数の多いチームの勝利となる。
団体戦における最初の全員での礼。今まで何度も経験してきた瞬間をこの時ほど張りつめたものだと感じたことはなかった。最大の 強敵である伝統校との対戦は決勝。そのひとつ前に立ちはだかるのはある公立高校だった―。

高校生活最後の試合にして味わった最大の敗北。
3年間必死で打ち込んできたことを打ち砕かれた瞬間。
今でも忘れることはない。しかし、その経験が私の人生にとって必要だったものだと今では思うことができる。次のステップ…大学生活へと今繋ぎ新たな目標に向かって進むことができていると感じるからである。
大学生活という新たなステップの中で環境で日々刺激を受け、今も前へと進んでいる。もう戻ることのないあの瞬間を忘れることなく胸に誓い、これからも日々に生かしていきたいと思う。