優秀賞

経営学部 経営学科2年次生 三重 沙耶香

作品概要

チャレンジ編

 大学2年生の春、ゼミ生と本学主催「サギタリウス・チャレンジ」のチャレンジ部門に応募しようということになった。私は、大学の愛校心を問題意識とした「京産検定」という企画を思いついた。これは、私たちが学生視点で京都産業大学の検定を作り、学生に自分の大学のことを知ってもらい、誇りに思って大学を巣立ってほしい、という思いから企画した。それを私がゼミ生に提案して取り組むことになった。

失敗編

 経営学部のゼミは2年生から始まる。だから、私は知り合ったばかりのゼミ生に対して遠慮があった為、仕事を頼む事ができず、仲間の事を信頼していなかった。その為、私は仕事を抱え込むようになっていった。それを解消しようと、テキスト作成のため分業体制をとり、夏休みは休みなくみんなで情報収集に駆け回った。卒業生の方々を招いた座談会、大学関係者へのインタビュー、膨大な量の資料を元に情報をまとめた。そして、夏休み明けの中間報告会では、その情報をまとめて「本にしていきます!」とやる気満々で提出した。しかしながら、会場のリアクションは最悪だった。後で聞くと、本作りの基礎が全くなっておらず、到底本にはできない、と思われたそうだ。私たちは本を作ったことがなく、どうすればいいのか急に不安になった。「やるぞ!!」という気持ちだけではどうすることもできないということを知った。更に、集めた情報が多く、まとめるのは至難の技だった。そこで大学史編纂室の方がアドバイスをくださり、また、本を作るとはどういうことかを教えていただいた。それでも、毎日編集作業は深夜まで続き、日常生活にも支障が出るほど疲労はピークに達していた。その結果、検定の実施日も当初の予定より大幅にずらすことになってしまった。このときものすごく不安で焦りを感じていた。

学んだもの編

 私は副リーダーという以上、みんなを引っ張っていかなければならないと思い、辛いときも弱音を吐かなかった。ゼミ生からの励ましと、大学職員の方々からの私たちを育ててくれようとする言葉があったから乗り越えられた。そして遂に、最終稿ができて提出。読み合わせという技法を用いてみんなで何度も読んだ最終稿。学生部から入稿の許可がおりた瞬間は、今までの疲れや悔しかったことが吹き飛ぶぐらい嬉しかった。

 私は今回の失敗を通して、先を見通すことの難しさ、社会に出たら言い訳は許されないということを学んだ。また、分業する事で、ゼミ生の新たな一面を知った。

 大学職員の方々は私たちのことを温かく、時に厳しく導いてくださり、私は学校に育てられているんだなあ、とより実感した数カ月だった。

 座談会の際に、卒業生がおっしゃった「チャレンジすることが京産大の強みであり、その土壌はできている」という言葉を思い出した。この言葉が私の今回の失敗と重なり、実感した。この経験は私のこれからの糧になると信じている。

 次はいよいよ検定実施。成功へ向けて一致団結した私たちは歩幅を合わせて歩きだしている。

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