優秀賞

法学部 法律学科 4年次生 新井 正志

作品概要

がむしゃらに取り組んで学んだこと・実感したこと

 大学2回生の時に友達の1人から「過去に数年間NPOでボランティアスタッフをしていた」という話を聞き、とても刺激を受けた。私自身、高校・大学でボランティア活動に取り組み、以前からNPO活動にも興味があった。そんな中、地域のNPO活動のPR会が開かれていたので参加した。その時に「子どもの安全を守る」ための活動を展開しているNPOと出会った。私は、このNPOの活動内容の一部を見たが、小学校2年生の時に見た内容と全く一緒のものであった。「これは何かの縁の巡り合わせだろう!」直感でこう感じた。その後私は、このNPOの学生ボランティアスタッフとして活動に加わることになった。

 学生ボランティアスタッフとなってからは、様々な貴重な経験を積むことができた。NPOが発行する冊子作成・研修会や講演会の運営・イベント運営・小学校訪問・講演会でのゲストスピーカーの講演テープおこしなど初めてのことが多く、がむしゃらに取り組む日々が続いた。中でも講演会の内容をそのまま再現するテープおこしは、気の遠くなるような作業であり、1本の講演テープおこしを完成させるのに膨大な時間を要した。しかし、1つのテープおこしを完成させた時には忍耐力と自信がつき、そして何物にも代え難い達成感を味わうことができた。
 ある時、私の関わっているNPOの学生スタッフをもっと増やそう!という企画を立ち上げた。企画にあたって、何百という他のNPO団体に「学生ボランティアスタッフについて」のアンケート回答を依頼した。しかし、段々とアンケート集計やヒアリング調査の量が多くなっていき、これまでの活動と合わせて膨大な仕事量と向かい合う日々が続き、ひたすらNPO活動に邁進した。やがて、知識・経験不足、膨大な仕事量から悪循環に陥るようになり、息つく暇のない状態に追い込まれる形となった。結果的に、プレッシャーから体調を崩し、学生ボランティアスタッフとして関わるようになってから半年後やむなく活動を中止し、私の挑戦は挫折という形で幕を閉じた。

 NPOでの活動を断念してからしばらくは、なかなかショックから立ち直ることができなかった。約7ヶ月間は精神的にも体力的にも不安定な状態を引きずったままの生活となり、周囲からは軽く流されたりして理解が得られず、本当に悔しかった。しかし、今回の挑戦と挫折は、私にとても大きな財産を残してくれた。それは、「先のことを考えず目の前のことにとにかくがむしゃらに取り組み挫折した」という経験である。私自身、NPOで学生ボランティアスタッフとして活動を始める大学2回生までは、何かに挑戦したくても先のことを考え、失敗したらどうしよう、といったことばかりを気にしてしまってなかなか前に踏み出すことができなかった。しかし、今回の挑戦で一歩踏み出すことができた!充実した学生生活を送っている人というのは、リスクを恐れずに果敢に挑戦している人である。たとえ挫折してしまったとしても、そこから這い上がるためのがむしゃら精神がある!そのことを少しでも実感することができた。また、自分の時間が多くあり、余裕もあると言われている大学時代に自分を限界まで追いこんで何かに挑戦したという自信は、4月から始まる社会人生活においても私にとって大きな力の源になり続けてくれると確信している。

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