入賞

「やはり京都に住みたい」

文化学部 国際文化学科 交換留学生 ガ ヨウヨウ

審査員講評

 中国の留学生が見た日本ということだが、ほめすぎの感は否めない。たぶん、まだもの珍しくて気持ちがはずみ、いいところしか見えないのだろう。これから印象も変化していくだろうが、ともかく気持ちのこもった日本語でどんどん語っているところが好ましかった。どの程度日本語を勉強されてきたのかわからないが、日本語、そして書くことが好きなことがよく伝わってくる。もちろん細かい間違い、特に助詞の使い方の間違いはたくさんあって、こちらで修正した。主語につける「は」と「が」の使い分けや、場所を示す「で」と「に」の使い分けなどはいわく言いがたい違いで、外国人には特にむずかしいであろうことを痛感した。この困難を克服したら、本当にすばらしい日本語の使い手になれる人だと思う。

作品内容

「やはり京都に住みたい」中田 美麗

 大学のとき、私はふるさとの江蘇省南京市から離れ蘇州の蘇州で大学に入りました。その時から、ずっと大学の寮で住みました。家にいる時間はとても少ないです。今年、日本に留学しました。京都産業大学です。日本に来てから、イメージがかわりました。

 私は日本のいろいろな観光地を回りました。北海道や東京、和歌山、滋賀県などに行きました。これらの旅行を通じていろいろな日本文化を勉強しました。そして、日本に対しての好感度もさらにあがりました。 たとえば、日本人は仕事をする時いつもまじめです。わたしは初めて京都に来たとき、中国人の友だちと一緒に清水寺に行きたかったですが、どうやっていくのか全然わかりません。そして、道で巡回している警察官に聞きました。私と友人の日本語はあまり上手ではないので、警察官に説明しにくかったです。しかし、警察官は私たちに丁寧に道の説明をしてくれました。意味がわかった後で、行く方法を探しました、警察官もどうやって行くのかわからないですが、ほかの人に電話をかけて、三十分ぐらい時間が掛かりました。私たちがもう諦めかかった時に、ついに行く方法が見つかりました。その時、私の心は感謝の気持ちでいっぱいです。 これこそが日本人の真面目なところだと思いました。

 そればかりではなくで、日本人は細かいところも気を使っています。たとえば、私はこんなニュースを見たことがあります。日本のある駅の中で、天井が壊れたから、水がずっと漏っていました。駅員がまず簡単にパイプで水を水桶の中に流しました。このパイプをわざと曲がりくねらせました。実はこの壊れた天井の下は点字ブロックつき歩道ですから、視覚障害者のために水をほかのところに流したのです。細かいところでも注意するのが日本人のすごいところだと思います。 私は買い物やレストランで食事をする時、日本人のサービスは非常にいいと思います。たとえば、私は京都の四条のパスタ店で食事をするとき、その店のメニューはあまりわからないです。その店の店員さんは優しくて、丁寧にメニューを説明してくれました。私は本当に感動しました。もう一回あの店へ行きたいです。

 それに、バスに乗るとき、運転手はいつも乗客のことを待ってくれました。日本のいろいろなところへ旅行しましたが、日本のバス運転手は本当に優しいと思います。いつも乗客に「ありがとう」と言います。たとえば、私はこんな状況を見たことがあります。体が不自由な人がバスに乗りたい、そばに助けてくれる人がいないとき、運転手がバスを停めて、ほかの乗客と一緒に助けてあげました。
 その時、私は本当にびっくりしました。以前中国に住んでいた時、全然こんな状況を見たことがないです。中国のバス運転手はいつも忙しくて、「快点(早く)、 快点(早く)」と乗客を催促します。全然優しくないです。もし体が不自由な人がいたら、絶対に無視します。そして、私は初めてこの状況を見たあとで、心の中でやっぱりここは日本だと実感しました。

 わたしが日本で一番好きなところはやはり京都だと思います。私は初めて京都に来たとき、目の前の景色が不思議だと思いました。三月の末に来日したから、桜は少し咲いていた、鴨川の水もゆっくりと流れました。道もきれいだし、空も澄んでいるし、それに、空気の匂いもいいです。道で歩いている人ものんびりしていました。その時、私はとても幸せだと思いました。日本のほかのところにも旅行しましたが、やっぱり京都の景色が一番きれいだと思います。 私の大学は中国の蘇州大学です。蘇州は中国の古い都市で、昔から、一番有名なのは蘇州の景色と庭園です。そこに住んでいた時、蘇州で住むのはいいと思いました。でも、京都に来たあと、この考えは変わりました。

 今、私が一番住みたいところは京都です。蘇州と京都は中国と日本で有名な都市ですから、いいところがいっぱいあるけど、蘇州は京都と比べて人が多すぎることがよくないと思います。人がいっぱいいるから、毎日とてもうるさいです。
 たとえば、バスに乗るとき、いつも混んでいます。バスの中で色んなことをする人がいます。ご飯を食べながら、電話をかけている人もいます。友だちと大声でしゃべっている人もいます。寝ている人もいます。
 そして、ときどき、席のために知らない人と喧嘩することもあります。私は日本のバスでそんなことを全然見たことがありません。日本人はいつも優しくて、列に並んでいます。バスの中でも静かにしています。絶対ほかの人を邪魔しないです。そのところは私は一番すごいと思います。それに、蘇州で車を運転することも難しいです。道に車がいっぱいあるから、運転するとき間違いやすいです。また、ときどき道で歩いている人が交通ルールを守らないから、交通事故がいつもあります。だから、中国で運転するのは日本より危ないと思います。そのため、私は京都で住みたいです。

 でも、京都も良くないところもあります。一番良くないところはバスや電車、地下鉄の終わる時間がとても早いです。もし深夜で外から帰りたい時、タクシーしか帰る方法がないです。それは不便だと思います。まあ、日本の夜は中国より安全です。たとえば、私は深夜友達と一緒にタクシーで帰りました。運転手が私たちが言うのと違う方向へ運転しました。そして、方角間違いで谷間みたいなところに着きました。それに、私たち三人は全部女の子で、周りに誰もいなくて、光もないです。
 もし中国でこの状況になったら、まずすることは警察を呼ぶことです。でも、日本であの運転手はじぶんが間違いなのがわかり謝りました。すぐ正しい道を探しました。私たちを安全な場所に送ってくれました。京都は本当に安全な都市だと思います。
 京都の景色はきれいだし、静かだし、生活も便利です。その上、人々が優しいです、私は京都が好きになりました。将来も京都で働きたいです。そして、やはり京都に住みたいです。

PAGE TOP