国際ワークショップ「東アジアにおける信頼の強化」開催
報告の概要
2014年2月21日(金)及び22日(土)、京都産業大学むすびわざ館で、「東アジアにおける信頼の強化」をテーマに国際ワークショップを開催しました。2日間にわたり、アジア、アメリカ、欧州から集まった12名のパネリストを中心に熱い議論が交わされました。議論はすべて、内外のプレスと京都を中心とする聴衆に公開され、2日間それぞれ約80名の参加者が集まりました。
21日午前の「国益の衝突を超えて」をテーマにしたセッションでは、ベトナム・中国・アメリカ・日本のパネリストが、それぞれの国が置かれた立場を踏まえつつも、できるだけ個人の視点に立ち、信頼強化のための新しい視点を模索しました。特に力の均衡の視点に立ったルール作りを主張するアメリカと、自国の国益の増大をゆるがせにしない中国のどちらからも押しつぶされない、独自のかじ取りを主張するベトナム外交の粘り強さが印象的でした。
21日午後の「海の安全保障」をテーマにしたセッションでは、日本・タイ・台湾・ベトナムのパネリストにより、現下の東アジアの最大の焦点になっている南シナ海及び東アジアの海の安全保障を中心に議論が白熱しました。発言者の多くから、法とルールに従った問題解決の望ましさが指摘されましたが、そのようには進まない現実の厳しさもまた目前に迫ってきました。
22日午前の「地域協力と相互依存」をテーマにしたセッションでは、オランダ、シンガポール、インド、日本のパネリストにより、経済関係の発展による相互依存が安全保障上の対立を減殺し、地域共同体の発展をまねくかどうかについて真剣な議論が行われました。しかし、総じて、安全保障が経済発展の基礎になるというEUの厳しい見方が議論の大勢となりました。
22日午後の総括セッションでは、特に日・中・韓の対立が激化する中で、歴史の射程を長くとらえたアジアの知恵を探求する必要はないかという問題意識にも焦点があてられました。
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VNU-Hanoi 人文社会科学大学副学長
Pham Quang Minh氏による報告 -
上海社会科学院国際関係研究所常務副所長
劉鳴氏による報告 -
プリンストン大学マスグレーヴ名誉教授
Gilbert Rozman氏による報告 -
東郷和彦所長による報告
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パネル討論の様子
セッション1「国益の衝突を超えて」
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本学 法学部 岩本 誠吾教授による報告
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タンマサート大学政治学部教授
Kitti Prasirtsuk氏による報告 -
台湾大学哲学部教授
Tran Van Doan氏による報告 -
ベトナム外交アカデミー戦略研究所次長
Tran Viet Thai氏による報告 -
青山学院大学国際政治経済学部教授
羽場久美子氏による報告 -
会場の様子
セッション2「海の安全保障」
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ライデン大学教授/クリゲンダール研究所上席研究員
Jan Rood氏による報告 -
シンガポール国立大学東アジア研究所上席研究員
Lam Peng Er氏による報告 -
ジャワハルラール・ネルー大学国際学部教授
G.V. C. Naidu氏による報告 -
白熱するパネル討論
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白熱するパネル討論
セッション3「地域協力と相互依存」
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東郷所長による総括
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会場の様子
セッション4「総括」