近現代インドとB.R.アンベードカル

開催日時 2012年10月24日(水)15:00〜18:00
開催場所 京都産業大学 第2研究室棟 1F会議室

報告の概要

 文化学部の志賀浄邦氏に「近現代インドとB.R.アンベードカル」と題してご報告いただきました。ヒンドゥー教の「不可触民」階級出身で、インドの仏教リバイバル運動に大きな影響を与えたB.R.アンベードカルがどのような人物でありどのように表象されてきたのかが中心となりました。まず、アンベードカルの経歴を辿る中で、第二次英印円卓会議で彼がガンディーと対立した点、またインド独立の際に初代法務大臣としてインド憲法を起草し「不可触民制の廃止」を盛り込んだことが着目されました。次に、現代インドにおいて彼は「もっとも偉大なインド人」ランキング1位に選ばれながらも、教育界では「下層民衆のリーダー」として「挿入的」にしか扱われなかった点が指摘されました。また、彼が「カースト」を解消するという視点から仏教の平等・道徳性・合理性を重要視し、改宗の意義を唱えたことが議論されました。最後に、志賀氏が今年4月におこなったインド・ナーグプール調査をもとに「ナーグプール大学・アンベードカル思想学科」の状況、アンベードカル生誕祭(前夜祭・当日)、現地の生活様式が報告されました。


  • 志賀浄邦氏

  • 研究会の様子
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