第6回研究会「原子力発電と電力市場」

報告者 朴 勝俊(関西学院大学総合政策学部准教授)
開催場所 第2研究室棟第1会議室
開催日時 2011年12月28日(水)15:00〜18:00

報告の概要

 2010年度まで本学経済学部に所属され、現在は関西学院大学総合政策学部で教鞭をとる朴勝俊准教授にお越しいただき、「原子力発電と電力市場」と題してご報告いただきました。まず、「原子力安全神話」の起源に触れ、ビキニ環礁第五福竜丸事件を引き金とした反核運動の時期と原子力発電開発の黎明期が重なっていた点が論じられました。次に、原子力発電が安価であるという従来の考えに対し、立命館大学大島堅一教授による試算がそれを覆したこと、またコスト計算には事故リスクを加算する必要があること強調されました。また、日本においても再生可能エネルギーによる発電が安価になってきたこと、2011年8月にはドイツ型の固定価格買い取り制度の導入を軸とした「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が成立したことが確認されました。同時に、電力の更なる自由化に向けた「発送電分離」の実現が課題として浮き彫りにされました。最後に節電分を新たな電力創出と捉える「節電所(ネガワット)」という考えが紹介され、電力市場のリアルタイム化を図るなどの工夫が必要であると論じられました。


  • 朴 勝俊 氏

  • 研究会の様子
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