植物オルガネラゲノム研究センター(2011年度設置)

 2008年に私立大学戦略的研究基盤形成支援事業として採択された研究課題をもとに、新たな研究センターが設置されました。オルガネラゲノム(葉緑体とミトコンドリア)の遺伝子組換えにより、植物が本来持っている優れた能力をさらに高めたり、これまでの植物では持ち得ない全く新しい機能を付与したりすることを目的に研究活動を進めます。

設立趣旨・目的

 現在、食料生産、環境、エネルギーなど、人類が直面する大きな問題の解決のために、植物のさらなる活用が切望されています。そのなかで遺伝子組換えは、植物が本来もっている優れた能力をさらにいっそう高めるため、あるいはこれまでの植物では持ち得ない全く新しい機能を付与するための極めて有効な手段であり、これからの作物育種や品種改良に必要不可欠のものと考えられています。とりわけ、オルガネラゲノム(葉緑体とミトコンドリア)の遺伝子組換えは、導入遺伝子が母性遺伝を示し、花粉を介して遺伝子を環境中に拡散するリスクが少ない、コピー数が多く高レベルの発現が期待される、ジーンサイレンシングを受けず安定して発現するなど、通常の核遺伝子の組換えと比べ有利な点が多数存在しています。本研究センターでは、植物オルガネラゲノムの遺伝子組換え、ならびにオルガネラゲノムの人為的再編により、人類に有用な植物を育成することを目標としています。

研究内容

 「葉緑体の遺伝子組換えに関する基礎ならびに応用研究」では、タバコをモデル植物として、(1)強光、乾燥、低温などの各種ストレスへの耐性が向上した植物、(2)ウィルスなどの病害抵抗性を持つ植物、(3)二酸化炭素の固定効率が高められた植物、などの作出に挑む予定です。

 また、この成果をパンコムギ、レタスなどの作物へ応用し、これら作物の機能性向上をはかります。また、葉緑体の遺伝子組換えを利用して植物における有用タンパク質やペプチドの生産を行なう系が改良されます。「ミトコンドリアゲノムの人為的再編に基づく新規雄性不稔細胞質の創出」の実験は、ミトコンドリアゲノム操作の全く新しいアプローチですが、核の特定核遺伝子の発現を人為的に制御することにより、各種作物のミトコンドリアゲノムの再編を積極的に促し、作物育種にとって重要な細胞質雄性不稔をもたらす新規細胞質の作出を試みています。

研究メンバー

寺地 徹 総合生命科学部・教授・研究代表者
山岸 博 総合生命科学部・教授
黒坂 光 総合生命科学部・教授
佐藤 賢一 総合生命科学部・教授
河邊 昭 総合生命科学部・准教授

共同研究者(学外機関)

椎名 隆 京都府立大学生命環境学部教授
久保 友彦 北海道大学大学院農学研究院准教授
北村 嘉邦 信州大学農学部プロジェクト推進助教
郭 長虹 中国ハルピン師範大学教授
Alejandro Ferrando Monleón スペイン国バレンシアポリテクニク大学研究員
植物オルガネラゲノム研究
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