第4回講座「実際にワークショップをデザインする。」

日時 2014年12月17日(水) 13:30〜16:30
場所 京都産業大学 4H演習室(4号館3階)
参加者 22名
テーマ

 急激に寒さが増し一気に冬本番。この日も、風が吹くと体の芯まで冷えるような寒さであった。風に押されるように少し足早に4号館3階4H演習室へと向かった私は、外の寒さと対照的な教室の暖かさにホッとしながらファシラボの準備を始めた。次々に教室に入ってくる見馴れたファシラボ参加者の姿に安心感はさらに高まり、教室の暖かさも増していった。会場は教室の半分ほどを使い、1つのスクリーンを囲うように扇型で椅子だけを並べ、残りの半分はランダムに机とイスのセットが並んでいた。

 定刻の13時半から5分ほど過ぎた頃、参加者19名といつもより少なめの開始となったが、お馴染み中西さんの挨拶から始まった。今まで行ったこととこれからのプログラムの予定について簡単に説明があった。アイスブレイクを兼ねて「これまでの『ファシラボ』の体験を振り返って、印象深い体験は何でしたか?」というお題に対して近くに座っている2〜3人で話し合った。「ニックネーム決め」、「ラジオ体操」や「人間マトリックス」など色んな意見が上がった。
 その後、中西さんがこれまでのファシラボを振り返り、そこでの学びを大きく2つの側面に分けて提示した。1つは、〈アイスブレイクの意義〉、〈自己防衛と懸念〉、〈ファシリテーションの歴史〉、〈グループ活動の2つの側面〉、〈対話の意味〉など、レクチャーを通じた知識面での学び。もう1つは、〈体験での学び〉、〈ワークを参考にする〉、〈わざを盗む〉といったプログラム体験のなかで得る態度や技術面での学び。以上、2つの側面を頭に入れたところで、次のワークに移った。

これまでの「ファシLabo.」を振り返って

自分と向き合いながら、これまでの「ファシラボ」を振り返る様子。

 机があるスペースに移動しA4白紙とカラーマーカーが全員に配布された。A4白紙を半分に折り、上段には「これまでの『ファシラボ』を振り返って、自分にとっての学びや気づきは何でしたか?」、下段には「これまでの『ファシラボ』を振り返って、自分の中でモヤモヤしていることは何ですか?」について書くように伝えられた。私は、前回の合宿でカラーマーカーの使い方を学んだので、「とても見やすく書くことが出来た!」と内心子どものように喜びながら冷静さを装った。全員が書き終ると、再度スクリーンの周りのイスに集まり、10分間4人グループでそれぞれ書いた内容について話し合った。

 グループでの共有ができたところで、「ファシリテーションの対象となる人たちの多様性をどう理解するか」というミニレクチャーがあった。今回は鬼塚先生が会議で欠席のため、中西さんからのミニレクチャーであった。具体的には、人種、民族、国籍、出自、宗教、障害、ジェンダー/セクシュアリティ等に関する多様性について考え、その多様性を認め合える場をつくるためにファシリテータが配慮すべきことを学んだ。

 自分の人種や民族はいったい何であるか?クリスマスを祝い、除夜の鐘をつき、神社で初詣する自分にとって宗教とは?性別は本当に男と女しかないのか?など、自分でもはっきり答えを出せない問いがいくつもあった。普段は「当たり前」の中に埋もれてしまって意識しないことについて考えたし、人権に対する知識不足や人権をちゃんと意識していない自分の恥ずかしさを覚える機会でもあった。しかし、ファシリテータとして人権に配慮することや参加者の多様性を認めることは大前提であることを30分のミニレクチャーで学んだ。

 その後、ファシラボの最終目標でもあるオリジナルの「アイスブレイク」を開発するワークに入るにあたっての説明が行われた。アイスブレイクの意義や方法について簡単に説明があった後、大谷さんから「それぞれの知恵の結集!」のワークシートが配られた。「アイスブレイク」を開発するにあたって、自分がどのシチュエーションの「アイスブレイク」を考えたいかを休憩中に考えておくよう伝えられた。シチュエーションは下記の4つからである。

4つのシチュエーション

  1. 【サークル等の新入生歓迎会@飲み会・お花見等】…初めて来てくれたさまざまな新入生
  2. 【1年生向け少人数演習】…初回授業・お互いのことを知るアイスブレイク
  3. 【ゼミ・勉強系】…ちょっと時期が立ってからの合宿・関係性強化・発表時お互いに意見交換しやすい雰囲気作り
  4. 【その他】…こういうシチュエーションを考えたい・自分達でやってみたい!

各グループで、オリジナルワークショップのデザインに奮闘中!!

 15分間の休憩をはさみグループ分けを行った。休憩中に新たに3名加わり、参加者22名。シチュエーションごとに集まりグループを作った。②【1年生向け少人数演習】のシチュエーションの人数が多くなった為、急遽その中から更に4グループ作ることとなった。私はこの大学で働き始めてからずっと1年生向けのキャリア形成支援教育科目「自己発見と大学生活」に携わってきたこともあり②【1年生向け少人数演習】を選んだ。グループメンバーはあげぱんとJKと私の3名。どんな「アイスブレイク」を開発しようかワクワクしながらメンバーでの話し合いを始めた。話し合いの時間は50分だった。私たちのグループでは、思い思いのアイデアを出し合い、あーでもない、こーでもない。と話し合った。途中、行き詰まる場面もあったが、熱中していると時間が過ぎるのは早いもので、あっという間に終了の時刻となった。

 どのグループも白熱しているように見えたが、果たしてどんな「アイスブレイク」が出来上がったのだろうか?来週のファシラボ最終回では、今回各グループが考えた「アイスブレイク」を体験するとのことなので、来週が本当に楽しみだ。

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