2013年6月21日に学内で上映した
映画「ガレキとラジオ」における過剰演出に関する報道につきまして

 東日本大震災ドキュメンタリー映画『ガレキとラジオ』(監督:梅村太郎・塚原一成、2012年)は、震災において大きな被害を受けた南三陸町のコミュニティラジオ「FMみなさん」の取り組みを追ったものです。ボランティアセンターでは、本作品の内容に共鳴し、2013年6月21日に、学内上映とワークショップを併せて開催いたしました。

 ところが、その後、2014年3月5日、報道により、一部に過剰な演出があったことが判明しました。それによると、電波の届かない地域にお住まいの方にCDで音源を届け、作品中でそれを聴いていたかのように演技することを求めたとのことです。
 ボランティアセンターとしては大変遺憾に存じますと共に、この事実を皆さんにお伝えしなければなりません。ドキュメンタリー映画という性質上、程度を問わず「演出」はあってはならないことです。また、事実と異なる演出を許容した制作側のスタンスに強く自省を求めるものです。
 みなさんにご理解いただきたいことは、震災後の南三陸町において、「FMみなさん」が住民のみなさんを励まし、支えてきたという事実を否定するものではないということです。ただ単に地域の情報を伝えるというのではなく、葛藤と悩みの中で歩みを進め、人々を勇気づけてきたことは事実です。こうした取り組みにまで不信感を抱かないでいただきたいと思います。

 間もなく震災から3年が経とうとしています。まだ復興の途上にある東北に対し、「私たちに何ができるか」を考え続けることは非常に重要だと考えています。その上で、「正しい情報」は必要不可欠です。被災地の現実を正しく伝え続けていくためにも、私ども含め情報発信に携わる側は、現実と向き合う真摯な姿勢を持ち続けなければならないと考えます。

京都産業大学ボランティアセンター

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