京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2016 Oct. Vol.73

社会で挑戦する卒業生から、次の挑戦者たちへ。BATON | バトン | in a relay of challenge. 想像を創造する!中野量太 Profile 映画監督 中野量太さん 1997年 外国語学部 卒 卒業後、日本映画学校(現:日本映画大学)に入学。助監督やテレビディレクターを経て、映画監督に。自主制作映画「チチを撮りに」が国内外で賞に輝き、10月公開の「湯を沸かすほどの熱い愛」で商業映画デビューを果たす。

中野さんの挑戦ヒストリー 在学中:フォークソング愛好会に所属し音楽活動に熱中。学園祭やコンテストを中心に活動。 卒業後:映画監督をめざし、日本映画学校に入学。卒業制作で賞を受賞し、自信をつける。 世界中を旅し、さまざまな出会いを通じて、自らの表現の幅を広げていった。 現在:10月29日に公開される映画で商業映画デビュー。「家族の愛」をテーマにした作品づくりで、いま日本で最も注目される若手監督の一人として期待されている。

今回の後継者候補 私も質問しました! 外国語学部 3年次生 奥田 和樹さん( 京都府・京都産業大学附属高校出身)

なぜ映画監督を目指されたのですか? 映画は表現作品の最高峰。だから、挑戦しようと思ったのです。

映画は、映像・音楽・ストーリー(脚本)と、あらゆる表現が結集し、ひとつの作品になります。何かを表現したいと思った時に、その最高峰を目指すのは、私にとっては自然の流れでした。もちろん、不安もありました、というか不安だらけでしたよ。なぜなら、映画といえば有名なハリウッド映画を観る程度で、小さい頃からの夢でしたとか、映画を制作したいから勉強しました、というわけではなかったですからね。大学卒業後の進路を決める時、友人に「映画監督になりたい!」といったら猛反対されました。それでも、私の中では「表現したいこと」があったのです。それをカタチにする手段としての最高峰と考えた映画制作を選択したというだけで、それが初めての経験だとしても、挑戦することに躊躇はありませんでした。
何かを始める時は、みんな「ゼロ」なんです。
私は大学時代にフォークソング愛好会でアルトサックスを担当していましたが、それまで楽器を演奏したこともなかったですし、楽譜も読めませんでした。それでも、周りの仲間の協力と自分の強い意志があったからこそ、ライブを重ね、コンテストでいくつか賞をとるまでに上達できました。そのことを身をもって実感していたので、未知の世界であった映画監督を目指すことができたんだと思っています。

中野さんの今後の挑戦を教えてください。 世界に通用する映画を制作したいです。

中野さんの最新作をCHECK!

国内で映画監督デビューしたばかりですが、やはり目指すは「世界」ですね。でも、そのためには、まだまだ多くの壁があることも自分でわかっています。そして、「挑戦」というと大きな夢や目標に立ち向かっていくイメージがありますが、自分に足りないもの、できないことを一つひとつクリアしていき、その挑戦の積み重ねが大きな成功につながっていくのだと思っています。そしてもうひとつ。「挑戦すること」は自分一人の力で完結するように思いますが、実は、多くの人とのつながりや支えがあってこそ成し遂げられます。今回の映画はもちろん、大学時代の仲間、いろいろな出会いがあるからこそ、自分自身がさらなる目標に向かっていけることを忘れてはいけないと思っています。これからも失敗と成功を繰り返し、それでも前へ進んでいく。その先に、世界で通用する映画があると信じているので、今後も挑戦を続けていきたいですね。

「湯を沸かすほどの熱い愛」10月29日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー

宮沢りえ、杉咲花/松坂桃李/オダギリジョー脚本・監督:中野量太
主題歌:きのこ帝国「愛のゆくえ」 配給:クロックワークス ©2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

中野さんからバトンタッチ! Q 奥田さんから:これまでに観た映画などに影響され、自分の作品が変わってしまうことはありませんか? A 中野さんから:映画や音楽から影響を受けることはすごく良いことだとおもっています。でも、それが映画だけ、音楽だけだと、表現が偏ってしまいます。大学時代によく旅をしたのですが、そういった異なるモノや体験を自分に取り入れて表現すれば、自然とオリジナルの作品になります。なので、大学時代にしかできない経験をたくさんして、いろいろな影響を受けてくださいね。

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