京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2015 Oct. Vol.69

約200年に1度の貴重な瞬間に立ち会おう!上賀茂神社式年遷宮パーフェクトガイド 21年ごとに行われる、上賀茂神社の式年遷宮。本学の周年記念と重なる年は、なんと210年に1度だけ!神様のお導き(!?)ともいえる特別な年に、本学と縁の深い上賀茂神社へ行ってみよう!

文化学部 教授鈴木 久男先生 京都で最も古い神社のひとつ、上賀茂神社の式年遷宮は、日本の心でいっぱいです。

guide1基本編 上賀茂神社と式年遷宮について

京都産業大学と上賀茂神社の縁 数千年前の昔、上賀茂神社のご祭神、賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)が降り立ったと伝えられる神山。初代学長の荒木先生は、この神聖で自然豊かな土地に惚れ込み、この地区での開学を決意されました。今、総合体育館が建っている場所の奥が、上賀茂神社ゆかりの神山です。本学は開学当初から上賀茂神社との親交を重ねており、上賀茂神社の神馬・神山号のお世話もその一環で、40年以上もの間、本学馬術部がお世
話しています。

式年遷宮とは?式年遷宮とは、定期的に社殿を建て替え、神様にお遷(うつ)りいただく祭儀のこと。平安時代から千年以上にわたり守られてきた、伝統的な祭儀です。式年遷宮が行われる背景には、建物の寿命という現実的な問題もありますが、伝統ある技術・文化の継承という文化的な意義もあります。上賀茂神社の場合は国宝や重要文化財に指定された建物が多いことから、近年は建て替えるのではなく、傷んだ部分を修復することで式年遷宮としています。

式年遷宮の流れ

1仮遷宮(平成26年6月)普段、神様がいらっしゃる「本殿」から、隣にある仮の住まい「権殿」へとご神体をお遷ししました。

2提灯行列(平成26年10月)式年遷宮を盛り上げるため、100人規模の提灯行列「賀茂献灯まつり」が行われました。

3正遷宮 釣灯籠への点灯平成27年10月15日

4正遷宮 修祓の儀4平成27年10月15日 お祭りのクライマックス、正遷宮。まずは神職のお祓いを行い、本殿へとお遷しする準備をします。

5正遷宮 勅使参進平成27年10月15日 天皇のお使いで御祭文(ごさいもん:天皇のお言葉)を奏上する勅使他が、本殿の前へ。その後、ご神体をお遷しします。

6奉幣祭6平成27年10月16日 正遷宮の翌日、勅使が御祭文を奏上し、国家の安泰と繁栄を祈願します。

※1 10月15,16日の正遷宮、奉幣祭は一般非公開です。 ※2 3〜6の写真は「第四十一回式年遷宮」(平成6年)のときの写真です。

guide2 上級編 遷宮の舞台裏を見学!

1 檜皮の葺き替え 今回の修復のメインは屋根の葺き替え。42年ぶりの大修復です。同時に屋根の頂上にある棟や、装飾のための金物も修復されます。

2 棟の修復 3 屋根の金物の貼り替え

4 鳥居や柵の塗り替え 高さ7mの一ノ鳥居やお社を囲む柵など、朱色部分は全て塗り替えられます。

5 遷宮の時だけ建てられる、忌子殿代と片半屋 遷宮のために建てられた忌子殿代と片半屋。正遷宮後に壊すため、簡素な造りになっています。

遷宮のお仕事

1〜3大切な屋根を伝統技術で修復 大切な屋根を伝統技術で修復ヒノキの表皮「檜皮」で葺いた社殿の屋根は定期的に葺き替えが必要。専門の職人が、檜皮を何層も重ねて竹釘で留める伝統の手法で修復します。鉄ではなく竹の釘を使うのは、錆で檜皮を傷めないためという日本の知恵です。棟や金物も職人技で丁寧に修復。遷宮を通じ、こうした伝統技術も後世に受け継がれていきます。

4 「神社の象徴」は、常に鮮やかに 境内の随所で塗られている朱色を全て塗り替え。一ノ鳥居から本殿側へと修復を進め、最後に楼門も塗り替えます。建造物を風雨や虫害から守るためという機能的な理由に加え、朱色が「魔除け」や「神性の象徴」という意味を持つ大切な色であるため、徹底して塗り替えられます。

5 仮住まい中の神様へ思いやりを 遷宮中、普段の住まいである本殿から権殿に遷られた神様のために「忌子殿代」と「片半屋」を新たに建設。「忌子殿代」は、権殿が手狭にならないよう権殿の神宝類を保管する場所で、「片半屋」は権殿の神様に祝詞を奏上するための場所です。どちらにも、「仮住まいでも神様が不自由ないように」という、日本の思いやりの心が込められています。

遷宮後のキレイな境内へGO 奉祝行事で日本文化を体感!

800年前の迫力が現代によみがえる!?笠懸神事 「笠懸」とは、馬上から的を狙う弓馬術のこと。神社奉納として行っているのは、全国でも上賀茂神社だけです。

●遷宮特別夜間参拝 10月16日〜18日 18時〜20時まで●奉祝演芸大会 10月19日〜21日 10時〜16時15分●源氏物語写真展 10月22日〜25日 10時〜16時●宮本亜門氏演出による奉納劇「降臨」 10月23日〜25日 計4回 ※要チケット購入●藤森太鼓奉納 10月27日 13時〜●賀茂神社神楽奉納 10月28日 10時〜

色鮮やかな鎧兜で、武家文化を再現!大鎧着初式10月18日 11時〜 元服や鎧を新調した時に行われた「鎧着初」を再現したもの。参加者は自作した鎧兜を身につけ、境内を闊歩します。

国民の力で守る 千年の歴史 平安時代から受け継がれてきた式年遷宮は、神社にとって一番大事なお祭りであり、日本人が大切にしてきた“文化”でもあります。我々神職だけでなく、伝統の技術を持った職人や支援してくれる参拝者の方々…多くの人々の協力を得ながら、千年以上にわたり継承されてきました。21年に1度しかないこの機会に、ぜひ日本の伝統を感じ、次の文化の担い手になってもらいたいと思います。境内を歩いてみて、長い間守られてきた伝統の貴重さを実感!日本の文化をもっと大切にしたいです!

guide3 実践編 いざ、上賀茂!KSU版参拝のいろは お二人に参拝のポイントを伺いました! 3手水舎で手と口を清めよう 4静かに参拝! 5授与所でお守りやおみくじをゲット!

1シャトルバスで上賀茂神社へ 2一ノ鳥居前で一礼し境内へ

鈴木先生、~山さん推薦!必見の“上賀茂文化”A本殿と権殿 国宝に指定されている本殿と権殿は、江戸時代末期の文久3年(1863年)建造。特別参拝に申し込めば、間近で見ることができます(参拝料:500円)。B立砂 神山をかたどったとされる立砂。盛り塩やお清めの砂の起源といわれています。C社家町(しゃけまち)神職の方々が住んだ「社家町」。歴史的景観が残ることから、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。

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