京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2015 Jul. Vol.68

「いくら払うか」より面白いお金の話。税金は文化だ!「税」について、あなたはどれくらい知っていますか?税を学ぶということは、実は文化を学ぶこと。私と一緒に、税の新しい一面を見てみましょう。

1 学生の感性で、京都を「世界に選ばれる」魅力ある街へ!

  • 1 学生の感性で、京都を「世界に選ばれる」魅力ある街へ!

  • 国によって消費税などの税率が違うことはご存知でしょう。しかし税制の違いから各国の文化が分かることを知っていますか?今回は、私が35年間、日本とアメリカで公認会計士として働いた経験を通じて、税から世界を見てみましょう。
    そもそも、税に対する意識は国によって全く違うのです。例えば、日本では法人税は「必ず払うべきもの」として扱われ、節税にはあまり良い印象が持たれていません。対してアメリカでは、節税は経営戦略の一環。大企業では会計士が数百人単位で雇われ、必死で節税に取り組んでいます。みんなが節税すれば、社会がどうやって成り立つのかと思うかもしれません。しかしアメリカではキリスト教の奉仕の文化が根付いていますから、富裕層の個人やNPOが図書館や美術館を設立するなど、市民の手で公共サービスが運営される事例も多くあるのです。そのため、寄付金への税制優遇もアメリカの方が手厚く設定されています。このように社会の文化の違いが税に反映されているのです。またアメリカ独自の制度として「ユダヤ文化研究」への税制優遇が挙げられます。これは、かつて様々な国を追われてきたユダヤ系移民たちが現在はアメリカの富裕層を形成している…という歴史に紐付いているんですね。税制とはまさに、その国の歴史と文化の結晶なのです。

2 税制を変えることでプロ意識を育てる!?これからの税の形を考える。

  • ではここで日本の税制を見てみましょう。実は日本の税制は戦前のドイツ税法典を参考に作られたもの。70年近く大きな改正がされていないため、今、社会の変化に対応した税制改革が必要とされています。例えば、日本では労働者の給与への課税が大きく、退職金への課税が緩やかですが、これは終身雇用を前提とした形態。終身雇用が崩れつつある今、この税制は適切でしょうか? また転職しづらいことで「他社でも通用する力を磨く」というプロ意識を持つ機会が減っている可能性もあります。日本と異なる税制を持ち、転職が盛んなアメリカ型の雇用には、労働者が解雇されやすい、経営者が会社をすぐ倒産させるという批判もあります。しかしアメリカではそうして業界全体が低迷した時に、業界自体を作り変えるという動きも起きやすいのです。もちろん、アメリカがベストなのではありませんが、固定観念は見直すべきでしょう。私は自分の実務経験から、日本の税制について様々な提言を行ってきました。いくつか反映された事柄もありますが、今後も法人税、所得税を中心に日本の税制の在り方について問いただしたいと考えています。

  • 2 税制を変えることでプロ意識を育てる!?これからの税の形を考える。

3 夢が見つからないのなら、まずは公認会計士を目指してみませんか?

  • ▲公認会計士募集ポスター。社会が求める会計士にぜひ挑戦を! ▲公認会計士募集ポスター。
    社会が求める会計士にぜひ挑戦を!

  • 私自身、世界中の企業をクライアントに仕事をしてきた経験から、物事を多角的に見ることの重要性を非常に感じています。その意味で、税制について学ぶことは「当たり前」を見直す一つのヒントにもなるでしょう。そして学生の皆さんに伝えたいのが、夢を持って必死に勉強してほしいということです。努力すればいろんなものが掴めるこの時期に、夢がない若い人が多いことを残念に思います。私の経験から言えば、公認会計士は大変な難関ですが、集中してしっかり勉強すれば合格は可能です。また公認会計士となれば世界で仕事をするチャンスを得たり、タレントや政治家になる道も拓けます。夢がない人は、まず公認会計士になってから考えるということでも良いと思うのです。本気の人には、私がスパルタで指導しますよ。

中田先生のハマりもの!

中田先生のハマりもの!

昔からヨーロッパ音楽が好きです。特にドイツ音楽は譜面を読んだり、歌曲を暗記するほど。私が公認会計士を目指したのも、ドイツへ赴任できると聞いたからでした(笑)。
大学時代にドイツへ留学した時、酒場で「ドイツ学生の歌」を現地の学生と歌ったのは楽しかったですね。

トップページに戻る
PAGE TOP