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- Vol.54 Portrait
- 滑りのテクニックを競う全日本スキー技術選手権で、前人未到の女子総合9連覇を果たした松沢さん。幼少のころから地元のジュニアクラブでアルペンレースを始めたが、スピードのみを争うタイムレースに適性を見出せず、大学4年のとき、滑りのテクニックの採点で競い合う基礎スキーに転身する。「採点競技なので、3年経ったらジャッジ（採点者）が飽きるといわれており、男子も女子も私が達成するまでは3連覇した人がいませんでした。そのジンクスを破ろうと、3連覇のかかった年は用具を一新。それとともに、自分の滑りも技術的に大きく変えて大会に臨みました」。その大会でも結果を残し、2010年までトップの座を譲らず9連覇を達成。そして、そのシーズンをもって選手としての引退を表明する。「基礎スキーに関してはやりきったという感じだったので、未練はありませんでした。それよりも次のステップに進み、スキーヤーとして誰もやっていないことにチャレンジしたいという気持ちが大きかったですね」。
- 現在はナショナルデモンストレーター（インストラクターを指導する最上級のインストラクター）として、レッスンやトレーニング講習会などを行うほか、自らの滑りを写真や映像に撮って、雑誌やDVDで発表するといった活動にも取り組む。さらにはスキーメーカーのアドバイザリースタッフとして商品の展示会で解説を行ったり、旅行会社と提携して夏のトレッキングの視察で海外を訪れたり、活躍のフィールドは多岐にわたる。「引退した今もスキーヤーとして滑りの技術的な向上は目指しており、今までと同じように毎日の努力は欠かしません。ただ、その成果を発表する場が大会ではなく、いろんなフィールドに広がったという感じですね」。そんな松沢さんが今後さらに力を入れていきたいというのが、子どもたちにスキーの楽しさを伝える活動だ。「これまでは技術志向の強い方への指導が中心でしたが、それと並行して今後は子どもたちを対象としたイベントにも精力的に顔を出し、スキーの楽しさや自然と触れ合うことの喜びを伝えていければと思います」。
- 京都産業大学ではスキー部に所属し、競技を続けたが、それまでと一番違ったのが練習方法だった。「大学では自分たちでメニューを考え、自主的に練習を行います。学部での勉強も含め、自分で予定を立てて4年間部活と勉強を両立し、学生生活に取り組めたことは大きな自信になりました」。選手時代、周りで支えてくれる人はたくさんいたが、練習やパフォーマンスの在り方など、重要なことを最後に決めるのは自分自身。掲げた目標を達成するために自分で考え、行動する力の基礎が大学時代の毎日の生活を通じてはぐくまれたという。そんな、常に先を見据え、進化し続けてきた松沢さんが、目標を持つことの大切さを最後に語ってくれた。「目標があると、それに向かって頑張れるので、目の前の小さな問題は気にならなくなります。明確なものではなくてもいいので何か目標を掲げ、決して諦めずに日々努力し、その中で皆さんの夢や目標をかなえてください」。
- DVD『とっておきのガールズレッスン』と、MOOK本『DVDでうまくなるスキー初中級レッスン』が好評発売中！いずれも初中級者を対象に、松沢さんが自ら滑りを演じる中で、分かりやすく、確実にレベルアップできる練習法をレッスンしてくれます。
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DVD
『DVDでうまくなる
スキー初中級レッスン』
実業之日本社
1,700円（税込） -
MOOK本
『とっておきのガールズレッスン』
freeride
4,200円（税込）
