京都産業大学 キャンパスマガジン サギタリウス VOL.52
Portrait
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信頼関係を築き、顧客とともに栄える。
個人向けの投資信託や株式、債券、保険のほか、法人の資金調達やM&Aのコンサルティング、不動産ビジネスの紹介業務に銀行代理店業務など、証券会社という枠を超えて幅広いサービスを提供している野村證券。全国各地に173の本支店があり、高橋さんは執行役員として27の支店を取りまとめる立場にある。「お客さまのニーズにできる限り応えようとしてきた結果、提供できる商品・サービスは、私が入社した24年前よりずっと多くなりました」と語る高橋さん。入社前に抱いた「ちょっと背伸びしないとついていけない会社」というイメージ通り、勉強する機会が次々と増え、幅広い分野の知識習得に日々打ち込んだ。「金融・経済の基礎知識はもちろん必要ですが、一番大切なのは、目の前にいるお客さまに認めてもらえるかどうか。私たちは目に見えないものを扱っているので、信頼してもらえなければ始まりません。そのためには、身だしなみやマナー、相手の話を聞く姿勢、質問力、そして誠実な対応も重要な要素です」。水の上からは優雅に見える白鳥が、実は水面下で必死に水かきをしているように、陰の努力が求められる。「私たちが顧客とともに栄えるためには、日本の企業、経済、日本という国そのものに元気になってもらわなければなりません。そのためには何ができるのかをいつも考えるようにしています。特にグローバルで活躍する企業のサポートには力が入ります」。高橋さんは、若手社員時代を経て部下を持つようになり、課長、次長、部長と組織の中で責任ある立場になるにつれ、創業の精神である「証券報国」「顧客とともに栄える」という言葉をより実感するようになったと言う。
あきらめることなく努力し続けてきたことが、周りから認められた。
今でこそ営業部門の執行役員という立場にある高橋さんだが、すべてが順風満帆だったわけではない。「そもそも、学生時代は歩合給やセールスという言葉には拒否反応を示すほどの営業嫌いでした。しかし縁あって入社したからにはとことんやろうと思い、飛び込み営業にも前向きに取り組みました。同期より昇格が遅れたり、落ち込むような経験も何度もしてきましたが、そうした苦しいことを乗り越えてきたからこそ、今の立場を任せていただいているのだと思います。出口の見えないトンネルにぶつかったときにも、ひたすら前向きに取り組んできました。落ち込むこともたくさんありましたが、きっと誰かが見てくれているはずだと信じてあきらめず、背伸びし続けてきました」。橋さんは、『論語』にある「われ日にわが身を三省す」という言葉を胸に、積極的に自己否定していると言う。この自己否定とは失敗を反省するのみではなく、事が順調に進んでいるときに「本当か?」と振り返るということ。毎日その日の仕事内容を振り返り、考え、悩んでいる。「水面下で必死に水をかきながらもあきらめずに続けてこられたのは、誰かが見てくれているはずだと信じていたから。今も自分が役員で大丈夫なのかと自問自答を続けています」。

好奇心旺盛になって、感性を豊かにしてほしい。
採用面接や出張講義で京都産業大学の学生と接する機会のある高橋さん。学生からは「今からやっておくべきことは何でしょう?」という質問をよくされると言う。「人からの受け売りではなく、自分自身で『将来、これは自分の身になるかもしれない』と思えることに取り組んでほしいですね。そして、資格取得などは入社後でもできるので、そういうことは気にせず、もっと好奇心旺盛にいろんなことに取り組んでほしいと思っています。そして、美しいものを見たら美しいと感動でき、いい音楽を聴いたらいい音楽だと感動でき、スポーツで体を動かして気持ちがよければ気持ちいいなと感動できる。そういった感性を大切にして、喜怒哀楽をはっきり表現してください。きっと、それがあなたの人間的な魅力になります」。
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