交通広告「社会を動かす人をつくる」シリーズ2

社会を動かす人をつくる

歴史の街道から
地域の元気を
未来へつなぐ。

真っ赤な色が特長の福井県上味見地域特産“赤かぶら”。
過疎に悩む山村の振興を目指し、鯖街道を通り約100キロを売り歩く。
「自分たちにできることを」と学生がはじめた活動は、地域活性の新たな動きへとつながっています。
京都産業大学独自の取り組み「サギタリウス・チャレンジ」を通じ、学生たちは自ら企画し、さまざまな挑戦を続けています。

鯖街道を通り約100キロ。特産“赤かぶら”を売り歩く。

京都産業大学法学部3年次
末利公一・川本有哉

全身真っ赤なユニフォームに、緑の帽子をかぶった姿が一際目を引く2人の学生。法学部3年次生の末利公一さんと川本有哉さん。過疎化・高齢化が進む福井県上味見地域の振興を目指して、同地域の特産物である『赤かぶら』のPR活動に取り組んでいる。ユニフォームは言うまでもなくその『赤かぶら』をイメージしたものだ。彼らの活動は、学生のさまざまな挑戦を支援する京都産業大学の独自プログラム「サギタリウス・チャレンジ」の優秀企画として採択されたもの。『赤かぶら』や『赤かぶら漬け』など上味見地域の特産品を手作りの赤いリヤカーに積み込み、鯖街道を通って約100キロの道程を売り歩いた。「昔のように福井の特産物を京都まで歩いて届けたかった」と川本さん。12月1日。冷たい雨が降り、時折あられが地面を叩きつける悪天候の中、鯖街道の出発点である福井県小浜市のJR小浜駅を出発。途中野宿をしながら、道の駅「若狭熊川宿(福井県)」や「朽木村新本陣(滋賀県)」、京都市内で販売を行い、4日間の行程を経て京都産業大学に到着した。

人々の魅力に触れ、地域のために活動を開始。





上味見は山間に位置する人口約300人ほどの里山地域。人口の過半数が65歳以上で、6つの集落のうち4つが限界集落となっている。2人が最初に訪れたのは1年次の冬。当時、全国各地で発生した豪雪のニュースを耳にし、雪かきボランティアのために現地へ駆けつけたのがきっかけ。「地域のみなさんはとても魅力的で、若者の活動にも気持ちよく協力してくれる」と彼らがほれ込んだことから交流が始まった。その後、上味見地域の活性化のため、関西圏を中心に全国の学生や社会人約30名で結成された「新上味見青年団」のメンバーに参加。登山道の整備や、同地域の無形文化財である「伊自良(いじら)祭」や「じじくれ祭」などの伝統行事を支援しながら人々との絆を深めてきた。現在では青年団の副団長を務め、月1回、多いときは月2回程度足を運ぶこともあるという。今回販売した『赤かぶら』も、夏から冬の旬の時期にかけて、2人が地域の人々と協力しながら栽培から収穫までを行った。

2人の挑戦が、地域を活気づける新たな動きへ。

「今回の活動には予想以上の反響があり、上味見を県外にPRするいいきっかけになった」と川本さんは確かな手ごたえを語る。売上目標にはわずかに届かなかったものの『赤かぶら』は無事完売。収益は今後の青年団の活動に役立てられる予定だ。地元の新聞にも取り上げられ「道の駅では新聞を見て駆けつけてくださった方々もいて、とても元気づけられた」と振り返る。また道中の位置はツイッターでリアルタイムに発信。友人たちの応援のツイートも大きな励みになったという。「出発前には先生や職員の方々からさまざまなアドバイスをいただいた。最終日には学長が出迎えてくださるなど、京都産業大学には学生のチャレンジを全力で応援してくれる環境がある。」と末利さん。今後も青年団としての活動にできるかぎり関わり、新たな動きへとつなげていきたいとのこと。人々の交流を産んできた歴史街道を通じ、地域の元気を未来へつなぐ動きが広がっている。

学生の果敢な挑戦を支援する「サギタリウス・チャレンジ」。

「サギタリウス・チャレンジ」は、学生の夢や興味の実現に向かって果敢に挑戦する学生の取り組みを支援する京都産業大学の独自プログラム。「チャレンジ部門」、「スピーチコンテスト部門」、「エッセイコンテスト部門」の3部門で募集を行い、優秀な企画・作品などに対しては奨励金を授与し、学生たちの自由な発想と積極的なチャレンジを支援している。 夢あふれる自由な挑戦をサポートする「チャレンジ部門」では、学生が自らのアイデアを企画にまとめてプレゼンテーションを行い、3回にわたる審査で大学と協議を重ねながら企画を練り上げる。2012年度は福井県上味見地域のPR活動を提案した末利さん、川本さんの企画『福井県上味見地域を盛り上げよう!』のほか、5つの企画が採択され、それぞれの挑戦を行った。

掲載期間2013年1月〜

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