現代社会学部授業にて、吉川 美代子 客員教授が“コミュニケーション”をテーマに講義

2020.12.25

受講生とコミュニケーションを取りながら講義する吉川 美代子客員教授
2020年12月15日、現代社会学部の専門教育科目「現代社会の諸問題B」にて、元TBSキャスターの吉川 美代子客員教授が登壇されました。毎年、多くの学生が参加していますが、今年度は新型コロナウイルス感染防止対策として、教室での参加に加え、オンラインでも中継し、対策を行いながら講義が行われました。

今回は「コミュニケーション」をテーマに講義されました。コミュニケーションを取るということは、“相手がいる”ということが前提です。これらを分かりやすく示すために多くの例を用いながら、説明を行う吉川客員教授。例えば「高い建物」といっても、イメージするのが「10階建て」なのか「30階建て」なのか、人によって様々です。このように、ある言葉に対して、必ずしも皆が同じ中身を想像するとは限らないと言います。逆に言えば、中身と実態がともなう言葉で伝えることができれば、わざとらしくなく、説得力のあるものになるそうです。

それらを表している例に「おめでとう」という言葉の表現があると紹介されました。コミュニケーションを取る相手が、仲の良い幼馴染であれば、身振り手振りをつけて「おめでとう~!!」と少し声が高くなるでしょう。一方で、上司など目上の人に対する場合は「おめでとうございます。」と少し落ち着いたトーンで伝えるかと思います。このように私たちは、誰に対してコミュニケーションを取るかによって、自然とトーンを変えているのです。それは、自然と身についているもののためわざとらしくなく、心からの気持ちが伝わりやすいのだと吉川客員教授は話します。

また、12年間校長を務めたTBSアナウンサースクールでの出来事にも触れながら、コミュニケーションの重要性についてお話されました。アナウンサースクールの授業テーマの一つに、「道筋を口頭で説明し、他の学生がそれを聞きながら地図を描く」というがあるそうです。そこで、ある学生が“進行方向に向かって”という言葉を使って説明した際、その認識が人それぞれ違ったことで戸惑ったという経験をお話されました。それぞれの人が持つ価値観は違うことを理解し、伝える相手に対して思いやりを持って話せるかが重要だと実感されたそうです。

講義の最後には、コミュニケーション力を高めるために今日からできることとして、「学内で大人とすれ違った際には挨拶をすること(会釈だけでも構わない)」「本を読むこと」「洋画を見る際は字幕で観ること」の3つを紹介されました。また、「大学にいる間に京都について学ぶことで、京都を説明する際に中身と実態がともなう言葉で語れるようになり、本当に心から話すことができるようになる。それが今後の教養の一つになると思います」と、受講生にメッセージを送り、講義を締めくくられました。

今回は吉川 美代子客員教授の講義をレポートしました。講義の中で繰り返し伝えられていたのは、「言葉を伝える際には、相手に理解してもらえるように思いやりを持ち続ける必要がある」ということです。吉川客員教授自身が、学生たちへの思いやりを持って、講義を行っておられた印象を受けました。受講生には、講義の内容をもとに、就職活動やその後の社会でコミュニケーション力を発揮していってほしいと感じました。
吉川客員教授は1月にも講義をされる予定です。次回も楽しみにしています。

(学生ライター 経営学部4年次 千石 里絵)
学生と目を合わせて、伝わるように講義する姿が印象的
講義は新型コロナウイルス対策として、対面とオンラインを合わせて実施
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