理学部 河北秀世教授が、JAXA・立教大学・東京大学等と連携により宇宙から彗星の撮影に成功

2015.10.13

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メディア掲載

 理学部 河北秀世教授(神山天文台長)は、立教大学理学部・亀田准教授やJAXAと共に、宇宙から彗星の撮影に成功しました。
 観測には、立教大学が東京大学およびJAXAと共に開発した望遠鏡「LAICA」が用いられました。観測対象となったのは、現在、ヨーロッパ彗星探査機「ロゼッタ」が探査を行っているチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星です。
 宇宙から彗星の撮影を成功したことにより、今後「ロゼッタ」探査機との連携によって、彗星活動の謎に迫ることができると期待されます。

 LAICA望遠鏡は、JAXAが打上げた超小型深宇宙探査機プロキオンに搭載されており、本来、地球の周りをおおっている水素ガスの層「ジオコロナ」を宇宙空間から撮影することを目的に開発された望遠鏡ですが、今回、LAICA望遠鏡を使って彗星の観測ができないかと、望遠鏡の開発を主導した立教大学・亀田准教授から本学神山天文台の河北台長が相談を受けました。河北台長は彗星科学を専門としており、これまでにも地球惑星科学振興西田賞(日本地球惑星科学連合,2014年度)をはじめ複数の賞を彗星科学分野の研究で受賞しています。現在、ヨーロッパの彗星探査機『ロゼッタ』が観測を実行中のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星をLAICA望遠鏡によって観測できれば、彗星近くに留まって観測を続けているロゼッタ探査機との連携によって新しい知見が得られると考え、同彗星の観測を提案しました。この観測計画の立案には、彗星の研究では新進気鋭の若手研究者である新中善晴博士(本学卒業生)とも協力し、9月13日に同彗星が発する水素ガスの光を宇宙から撮影することにも成功しました。この光は「ライマン・α」と呼ばれる特殊な光であり、地上からは地球の大気が邪魔をして観測することができないのです。

 通常、彗星から放出されるガスは地形の広がりを示すのが一般的ですが、水素原子からなるガスでは、太陽からの強烈な紫外線によって、太陽の反対方向に少しひしゃげた形になることがあります。しかし、今回、観測で得られた水素ガスの分布は、予想を上回る非対称性を示しており、「ジェット」と呼ばれる局所的なガス噴出の影響を受けている可能性が高いと考えられます。このような観測が成功した鍵は、LAICA望遠鏡の性能(空間的に細かい構造を区別できる能力:空間分解脳)の高さにあります。

今回の撮影によりこれまで地上からは得られなかった彗星の活動が明らかになり、また、ロゼッタ探査機との連携によって突発的な彗星からのガス放出についての理解が進むと期待されます。研究チームでは、今後、更に詳細な解析を行い、来年春に米国ヒューストンで開催される国際学会での発表を目指しています。

リリース日:2015-10-13

お問い合わせ先京都産業大学 神山天文台・台長 河北 秀世
075-705-3001
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