新型コロナウイルス禍におけるボランティアについて

2020.07.31

コロナ禍の今、改めて「ボランティア」について考えよう

新型コロナウイルス(COVID-19)に感染された方へ心からお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方へ謹んで哀悼の意を表します。感染拡大により、様々な被害にあわれている方々に対しても、謹んでお見舞い申し上げます。

ボランティアは、社会の課題に対して、個人の「ほっとけない」「なんとかしたい」という思いから始まる、自主的な取り組みです。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大は、こうした個人の思いに基づく活動に対し、大きな制約を加えることとなりました。

ボランティアは「不要不急」なのか?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「不要不急の○○は自粛して(自粛を人に”要請”するのは奇妙ですが)」というアナウンスを聞くことが多くなりました。では、ボランティアは「不要不急」なのでしょうか?
この「コロナ禍」の状況下においても、世の中には困難を抱えながら日常を送っている人たちがたくさんいます。また、多くの人々が「不要不急の○○を”自粛”」した結果、さらなる困難にさらされるようになった人たちも多いでしょう。
さらには、これまで社会課題と向き合い、活動をしてきたNPOやボランティア団体等の中で、人や資金の確保が難しくなり、また「困っている人たち」へのアプローチができなくなった結果、その存在が危ぶまれるところも出てきています。
すなわち、社会課題に取り組み、困っている人たちに手を差し伸べるボランティア活動は決して「不要不急」の活動ではないのです。

分断社会を生み出さないために

この「コロナ禍」は、ウイルスの感染という直接的な問題のみならず、社会に様々な「分断」という問題を生み出しています。感染者と非感染者、医療関係者と非関係者、若者と高齢者、都市住民と地方住民…本来、お互いが尊重しあい、ともに「コロナ禍」を乗り越えていかなければならない人たちが、お互い対立したり、一方を村八分にしたりするような風潮が見て取れます。そして、ごく限られた一方的な「正義」を振りかざし、自分にとって気に入らない他者の意見や行動を攻撃する「自粛警察」(”自粛”をする/しないという個人の意思を、公権力を持たない人たちが”取り締まろうとする”のはもっと奇妙、いや危険ですが)なる言葉を聞くようになりました。
「分断・対立」から社会問題の解決策を見出すことはできませんし、「自粛警察」は、「ほっとけないをほっとかない」というボランティアの行動原理のいわば「望ましくない」行使の仕方です。なぜならば、これらには社会全体で乗り越えるべき課題に対し「向き合い、知恵を出し合いながらともに解決していく」という姿勢に欠けているからです。
こうした、「コロナ禍」で生まれた新たな問題に対しても、私たちは今こそ、問い直してみる必要があるのではないでしょうか。

ボランティア本来の意味や意義を今一度考えてみよう

ボランティアはあくまでも自発的な活動であり、本人の意思が尊重されるものです。よって、人にはボランティアを「しろ」とも「するな」とも第三者が言うことはできません。したがって、ボランティアセンターとしては、「自発性」「社会課題の解決」というボランティア本来の意味や意義を踏まえたうえで、そして、当センターで定めている「ボランティアセンターの目指すもの・ボランティアセンターが取り組むこと」に鑑み、学生たちに対し、ボランティアに関する情報提供や活動支援を継続します。
もちろん、「自分の命を守り、人の命も守る」ことが大前提です。したがって、感染の状況を見極め、かつ安全対策を十分に担保したうえで、業務や対応をしてまいります。そのうえで、「ボランティアをする/しない」を判断するのは、みなさんです。
ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。

ボランティアセンター長
滋野 浩毅

今、私たちにできること

コロナ禍においては、「新しい生活様式」を前提とした社会への変化が求められています。感染拡大の防止という観点から、他者との身体的接触が制限され、社会的距離をとることが求められるなかで、社会的に排除された他者に寄り添い、人と人との関わりを積極的に求めてきたボランティアにとって、大きなジレンマをもたらすものです。
しかし、このような状況においても、私たちができることが全くないわけではありません。「こんなときでも、何かできるのではないか」「こんなときだからこそ、何かしたい」という思いをいかに実現させていくか。そこには必ず新しい方法があるはずです。
下記を参考に、感染拡大を防止しつつ、社会の課題と向き合い、その解決につながる活動への関わり方について、考えてみましょう。

この案内は、現時点での状況および情報をもとに作成しています。社会情勢や大学の方針により、内容を追記・変更する可能性がありますので、大学が発信する最新の情報を確認してください。

感染拡大の防止

今、私たちが念頭に置かなければならないのは、「これ以上の感染拡大を防止する」ということです。一人一人が感染予防に努め、適切な行動をとることは、身近にできる社会貢献の一つです。
また、不確かな情報の発信・拡散は憎悪を煽り立て、社会の分断を生む危険な行動であり、厳に慎むべきです。そのためには、新型コロナウイルスを正しく理解することが重要です。下記ページを参考に、適切な感染予防行動をとりましょう。

また、本学所在地である京都市およびみなさんがお住いの地域での感染状況を把握しておくことで、自発的な判断に基づいて外出を制限するなど、感染防止につながる行動をとることができます。
京都市の情報については、下記ページを参照してください。

ボランティアについて学ぶ

授業で学ぶ

本学では、ボランティアについて学ぶことができる科目が開講されています。ボランティアについてもっと知りたい、深く学びたい方は、ぜひ受講してください。
詳細な内容は、シラバス検索ページにアクセスし、「ボランティア入門」「ボランティア実習」「ボランティア論」で検索してください。

書籍で学ぶ

本学図書館では、ボランティアに関する書籍を数多く置いています。どんな本があるかわからない方は、図書館蔵書検索システム「KSU-Cat」で、「ボランティア」と入力して検索してみてください。本学図書館の利用については、下記ページをご覧ください。

また、ボランティアセンターでは図書コーナーを設けており、ボランティア・市民活動・NPO/NGOに関する書籍を置いています。下記ページに掲載している「ボランティアセンター貸出リスト」を参照してください。本学図書館同様、郵送による貸出を受け付けていますので、メールまたは電話にてボランティアセンターまでお問い合わせください。

ボランティアを探す

対面でのボランティア活動には制限がありますが、3密対策が講じられていたり、オンラインをメインとしたりしている活動が行われています。これらの活動について調べたい場合は、下記の方法があります。

ボランティア検索プラットフォームを利用する

地域や活動テーマ、活動形態など、自分の希望に応じたカテゴリーから活動を探すことができます。

中間支援組織を利用する

各都道府県や市区町村には、たいていボランティア活動に関する情報を発信する中間支援組織があります。これらの組織は、「ボランティアセンター」、「市民活動センター」と名付けられています。運営主体は、社会福祉協議会(通称:社協)や民間団体などです。「地名+ボランティアセンター」で検索すると、みなさんが住む地域や活動したい地域のボランティアセンターが出てきますので、そのホームページ内で活動を検索したり、直接問い合わせて相談したりすることができます。

身近なアクションを起こす

ボランティアは他者と対面する活動だけではありません。みなさんの日頃の行動を見直し、社会や環境を意識した生活様式へと変えていくことは、日常生活でできる社会貢献の一つとなります。

寄附・募金をする

現在は感染拡大防止の観点から、街頭募金はほとんど行われていませんが、災害や貧困、環境保護など、さまざまな社会課題の解決を支援するための寄附・募金は継続して行われています。
現金で支援したい場合は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアのレジの横や各自治体の窓口等に募金箱が設置されています。ウェブからの手続きで、カードやオンライン決済等で寄附を行うことも可能です。書籍や書き損じはがき、余剰食品や未使用の物品など、お金ではない寄附を受け付けている団体もあります。
また、NPO等の会員になることも、団体を応援する方法の一つです。会費を払うことで団体の運営を支援し、みなさんの思いを伝えることで活動をよりよいものへと変えていくことができます。
みなさんが共感できる活動を見つけ、積極的に応援してみましょう。

購買行動を変える

何気なく購入している商品が、誰によって、どこで、どのようにつくられ、どのように捨てられているのかを知ることは、社会に意識を向けるきっかけとなります。例えば、フェアトレード(製品を適正な価格で取引すること)の商品を選ぶことで、開発途上国の生産者の暮らしを応援することができます。使い捨てではなく、修理して長く使える商品を選ぶことは、ごみ減量に取り組むことにつながります。また、障害のある人が生産に関わった商品や寄附付き商品などを積極的に購入することで、社会貢献を意識した生活様式をつくることができます。いきなりすべてを変えることが難しくても、買い物の際に少し意識することから始めてみませんか。

災害について知る

近年、気候変動やインフラの劣化により、豪雨や台風による被害が毎年のように起こっています。まずは自分の生命を守り、生き延びることができるよう、日頃から備えておくことが重要です。みなさんがお住いの地域の「ハザードマップ」を見て、避難所と避難経路の確認をしておきましょう。
また、現地でのボランティア活動以外にも、寄附や募金等で支援に関わることが可能です。
災害支援について情報収集する場合は、下記のページが参考になります。

ボランティアセンターの取り組み

ボランティアセンターでは、春学期に予定していたすべての主催行事を中止または延期し、対面でのボランティア相談も中止していました。しかしながら、学生のキャンパス入構および課外活動の制限が続くなか、学生のみなさんが自宅に居ながらボランティアセンターを活用できるよう検討し、下記の取り組みを進めていきます。これまでのセンターの取り組みについては、「ボランティアセンターリーフレット」や「ボランティア活動応援ハンドブック」をご覧ください。

ボランティアに関する相談受付

ボランティアセンターでは、ボランティア未経験者からすでに活動している人まで、幅広く支援を行っています。「ボランティアのことについて知りたい」「活動している団体のことで相談したい」など、ボランティアに関することは何でも気軽にご相談ください。
現在は、メール・電話・オンラインで対応しています。
まずは、メールまたは電話にて、ボランティアセンターまでご連絡ください。

オンラインイベントの開催

現在、オンラインイベントを企画中です。詳しいことが決まり次第、随時POSTにてお知らせします。
お問い合わせ先
京都産業大学 ボランティアセンター 13号館B1階
〒603‐8555 京都市北区上賀茂本山
Tel.075-705-1530
Fax.075-705-3191

開室時間
平日:9:00~16:30(13:00~14:00を除く)
土曜:9:00~11:45※不定期に閉室することがありますので、事前にお問い合わせください。
日曜・祝日:閉室
volunteer-support@star.kyoto-su.ac.jp
PAGE TOP