京都産業大学タンパク質動態研究所講演会シリーズ「ようこそ、タンパク質の不思議な世界へ!」第3回を開催

 本学の研究ブランディング事業の一環として、2月22日(土)に京都産業大学タンパク質動態研究所講演会シリーズ「ようこそ、タンパク質の不思議な世界へ!」第3回を本学むすびわざ館で開催しました。この講演会シリーズは、本学が推進するタンパク質研究について、一般の皆様へ分かりやすくお話しし、生命活動のおもしろさと、その不思議な世界に触れていただくことを目的に実施しています。本講演会シリーズも今回の第3回目で最終回となりましたが、約130名の参加者がありました。
 第1部では、遠藤 斗志也 タンパク質動態研究所所員から、「ミトコンドリアって、 こんなにおもしろい」と題した講演を行いました。遠藤所員がミトコンドリアを研究するようになったきっかけや、私たちの健康とミトコンドリアは、実は深く関係していること、ミトコンドリアの機能が低下すると細胞の機能が低下して、私たちの体調も悪くなる等の話がありました。また、どうすれば元気なミトコンドリアを作ることができるのかの説明もあり、来場者は興味深く聴き入っていました。
 第2部では、吉森 保 先生(大阪大学大学院 生命機能研究科・医学系研究科教授)をお招きし、前半は「細胞が自分を食べる:オートファジーの不思議」と題したご講演をいただきました。講演前には、永田 和宏 タンパク質動態研究所所長が吉森先生はアヒルが大好きで、吉森研究室にはアヒルグッズが500個もあること、アヒル好きが高じて“アヒルの名を冠したオリジナル日本酒”を作ってしまったことなど、とてもユニークな紹介がありました。吉森先生の講演では、オートファジーは、細胞自体が細胞の中の余計なものを取り除いたり、タンパク質などのリサイクルをしたりするシステムであること、このシステムが正常に機能するからこそ、私たちは健康が維持されていること、また、オートファジーのシステムは、病気の発生にも関係していて、この研究を推進することで創薬の開発に貢献することができることなどが説明されました。また、この分野でノーベル賞を受賞された大隅 良典 先生との思い出話もしていただきました。第2部後半は吉森先生、永田所長、遠藤所員とで鼎談を行いました。研究者としてサイエンスを続ける難しさや辛さもあるけれど、未知の領域に足を踏み入れる楽しみや世界初の発見をした際の喜び、役に立たない研究から実は社会に大きく貢献できる発見が生まれることなど、興味深い話がされました。また、会場からは高校生からシニアの方まで、幅広い世代から積極的な質問があり、登壇者は丁寧に質問に答えられていました。
 参加者からは、「まだ解明されていないことに対する先生の好奇心に共感しました」「ミトコンドリアやオートファジーについて、わかりやすく説明されていて、生命活動のおもしろさが伝わってきました。自分の知らないことをもっと深く理解したいと思います」「この講演会シリーズが3回で終わるのは残念です。ぜひ続編をお願いします」といった感想が寄せられました。
第1部:遠藤所員の講演
永田所長による吉森先生のご紹介
第2部前半:吉森先生のご講演
第2部後半:吉森先生、永田所長、遠藤所員の鼎談
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