第57回植物バイテクシンポジウム「変身する生き物、変身させる生き物」開催報告

12月13日に京都産業大学で第57回植物バイテクシンポジウム「変身する生き物、変身させる生き物」(京都植物バイテク談話会、京都産業大学生態進化発生学研究センター共催)を開催しました。このシンポジウムでは、4名の研究者(京都府立大学2名、産業技術総合研究所1名、京都産業大学1名)が講演者となり、虫こぶ形成のメカニズムや植物の表現型可塑性について研究発表がありました。
虫こぶとは、アブラムシなどの虫が植物の葉などに寄生して作るコブ状の組織で、自然界にはさまざまな形のものが見られます。虫がどのように植物の発生を制御して虫こぶを作るのかはほとんど明らかになっていませんでした。今回のシンポジウムでは、虫こぶ形成昆虫の研究や植物の発生についての研究など、さまざまなアプローチにより虫こぶ形成のメカニズムに迫る最新の研究成果が紹介され、研究結果について活発な議論が交わされました。本シンポジウムには、大学や企業から80名の参加者があり盛況のうちに終了しました。

講演者と演題

大島 一正(京都府立大学 大学院生命環境科学研究科)

「変身する幼虫が,植物も変身させる:突然始まるホソガ科昆虫の虫こぶ誘導」

沓掛 磨也子(産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門)

「植物を変身させるアブラムシの安全快適な住まいづくりと社会性生活」

平野 朋子(京都府立大学 大学院生命環境科学研究科)

「昆虫が誘導する植物の変身;特殊な器官形成「虫こぶ」の研究」

木村 成介(京都産業大学 生命科学部)

「環境に応じて変身する植物:Rorippa aquatica の異形葉性の研究」
ヌルデの葉にできた虫こぶ
4名の研究者の講演が行われた
大学や企業からの参加者で盛況となった
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