京都文化学科「おもてなし文化論」で花道桑原専慶流副家元・桑原 櫻子氏が講義

2018.11.15

京都文化学科では、茶道、華道、老舗旅館、料理屋、ホテルなど各界の第一線で活躍する方々をゲスト講師として招き、各界におけるおもてなしの具体例や精神等、生きた教訓を学ぶ「おもてなし文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を秋学期に開講しています。
冨春軒(家元宅)の露地について話す桑原氏
11月15日(水)は、桑原専慶流副家元(くわはらせんけいりゅう・ふくいえもと)の桑原 櫻子(くわはら さくらこ)氏をゲスト講師にお招きしました。桑原氏は元禄時代(十七世紀)から350年続く桑原専慶流家元に長女として生まれ、副家元として支える一方、料理研究家として料理教室やテレビ番組などで、多彩に活躍されています。
講義では「おもてなし」について、普段から桑原氏が大切にしておられる<お客様やお弟子さん、家族へのふるまい・接し方>について、数々の写真と共にお話しされました。
桑原氏の一日は、玄関へ続く30mの露地に打ち水をすることから始まります。玄関の土間には長四角形の手水鉢があり、山から取ってきた季節の花々を一休みさせ、また切り花の命を最後まで見守るために、常に綺麗な水を維持し続けているそうです。
さらに、京都の名だたる料亭が重要視している「しつらえ」について、掛け軸や調度品だけではなく、いけばなも大切なお客様を「おもてなし」する要素の一つであると説かれました。
また料理研究家として、おもてなしの心を大切にしたサロン『Cherry Kitchen 』を主宰する桑原氏は、テーブルにセッティングされた色鮮やかな季節の花と料理の写真を紹介。そのコーディネイトの素晴らしさに思わず感動の声をあげた学生に、忙しい中でも家族やお客様の喜んでくれる姿をみることが、自分で作ることへのこだわりや思いにつながっていると話されました。
桑原専慶流副家元によるいけばなの実演
講義の最後には、北海道産の木苺、秋にしか咲かない糸菊、そして日本三大名菊の一つである嵯峨菊を使って、盛花(もりばな)を披露。
次期家元の桑原 素渓氏による初心者のみを対象にしたいけばなレッスンのスマホのウェブサイトを紹介し、若い世代による新しい取り組みが、次の世代へのいけばなの関心を高めること、また4年間の大学生活で茶道や華道に触れ、体でその文化を学んでほしいと学生たちに呼びかけました。
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