京都文化学科「おもてなし文化論」で堀内家長生庵主 堀内 宗完氏が講義

2018.10.31

京都文化学科では、茶道、華道、老舗旅館、料理屋、ホテルなど各界の第一線で活躍する方々をゲスト講師として招き、各界におけるおもてなしの具体例や精神等、生きた教訓を学ぶ「おもてなし文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を秋学期に開講しています。

10月31日(水)の授業では、表千家の「堀内家長生庵主(ちょうせいあんしゅ)」である堀内 宗完(ほりのうち そうかん) 宗匠をゲスト講師にお招きしました。堀内 宗匠は、先代の宗心(そうしん)宗匠とならんで、京都大学理学部出身という、茶家には珍しい理系の経歴をお持ちの先生です。
茶席でのおもてなしを解説する堀内 宗匠
「自分の仕事は人をもてなすこと」「自分の発想でその日のお客様に合わせて考えたおもてなしがうまくいったときの達成感はひとしお」と話す堀内 宗匠。
長生庵の見取り図や写真を用いて、門をくぐってから席に入るまでの順路にも、客人をもてなすための工夫がなされていることや、メインであるとっておきの濃茶を美味しくいただくための茶懐石やお茶菓子について紹介され、4時間に及ぶ茶の湯のかたちや、細部にわたる細やかな心遣いを解説されました。
また、千 利休も茶の湯に用いた名水として有名な「柳の水」などの、茶の湯に欠かせない京都の名水についても解説。同じ京都市内でも水質が異なることを、地層や河川の位置、地下の岩盤の様子といった地学的な視点や、4時間の茶席の間に、どのように釜の湯温が変化しているのかを研究されたグラフも交え、理系ご出身の堀内 宗匠ならではの講義をされました。
次々と質問を投げかける学生たち
講義の最後には、学生からの質問を受け付けられました。「なぜお茶席では正座をしなくてはならないのですか」「どうすればお茶席でうまく話せるようになりますか」「最近の急須で入れたような風味を宣伝しているペットボトルのお茶は本当にそのような味がすると感じますか」といった学生らしい率直な質問に対しても、ひとつひとつていねいに茶の湯の伝統を踏まえながらも、現代の生活の変化を取り入れたご自身の考えを述べられ、学生たちに深い感銘を与えていました。
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