第5回 日米物理学会 合同核物理分科会で理学部 物理科学科の新山 雅之 准教授と山縣 淳子准 教授が各研究成果を発表しました

2018.11.20

第5回日米物理学会 合同核物理分科会(Fifth Joint Meeting of the Nuclear Physics Divisions of the APD and JPS)が2018年10月23~27日に米国ハワイ島で開催され、本学理学部物理科学科の新山雅之准教授と山縣淳子准教授がそれぞれ研究成果を発表しました。

新山雅之准教授は「Recent results and prospects from Belle I,Belle II and LEPS 1, LEPS 2」の題名で招待講演をしました。ハドロン物理学では2つのクォークが結びついたダイクォークやハドロンの分子状態、グルーオンのみで出来た粒子などクラスターの形成が理論的に予想されており、量子色力学の新現象として注目されています。Belle実験での電子陽電子対消滅(図1)からの、ハイペロンやチャームバリオンの直接生成率を初めて測定した結果(図2)や、LEPS実験でのファイ中間子光生成へのグルーオンの寄与の研究結果について報告しました。

山縣淳子准教授は「KbarDbarN molecular state as a “uudscbar pentaquark" in a three-body calculation」という題名で口頭発表しました。ペンタクォーク(pentaquark : 4個のクォークと1個の反クォークの計5個のクォークからできている新しい粒子)状態と考えることのできる、1つのバリオンと2つのメソンの束縛状態を予言する理論計算について発表しました。

(用語解説)
ハドロン … 原子の中心にある原子核を構成する陽子や中性子を代表とする素粒子の分類の1つ。3つのクォークから構成されるバリオンとクォーク・反クォーク対で構成されるメソンがある。

図1 電子陽電子対消滅
図2 チャームバリオンの種類によって2つのグループに分かれることを発見。Niiyama et al., Phys. Rev. D Vol. 97, 072005 (2018)から転載。
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