ワーク・ライフ・バランス入門講座を実施しました(6月14日)

2018.06.14

経済学部「ワーク・ライフ・バランス入門講座」を、本学の学部生、院生、教職員にも聴講対象を拡大し、ダイバーシティ推進室の協賛による公開授業として実施しました。
「女性とその家族の一生涯のサポート」を理念としておられる医療法人財団足立病院 畑山 博院長を講師にお迎えし、「ライフスタイルの変化とワークライフバランス—『その時』がもうすぐやってくる—」をテーマに講義をいただきました。
畑山氏は、はじめにワーク・ライフ・バランス(WLB)とはワークとライフに費やす時間が常に50%ずつに均整のとれた状態ではなく、ライフステージによって比重を変えながら全体としてバランスをよくすることだと定義されました。そして、WLBのバランスが崩れると、働きすぎの状態が続き、社会的立場に関係なく過労死につながる危険性があると指摘されました。
政府が一億総活躍社会をテーマにWLBを推進するのは、日本の経済力の衰退を止めるためであり、その要因となっている少子高齢化への対応であると説明がありました。少子高齢化問題は、出生率の減少、介護離職の増加など、日本の労働力不足と密接に関係しています。さらに、少子高齢化社会では、稼得収入のない人(多くは高齢者)の生活を支える働き手の人口が減少しているため、年金・福祉施策の社会保障費負担は増え続ける一方です。労働力の確保のため、政府は男性には「結婚して欲しい」「子育てもしてもらいたい」、高齢者には「定年後も働き続けて欲しい」、特に女性には「働いてもらいたい」「子どもを産んで欲しい」「親の介護も頼みたい」と過剰な期待が寄せられており、WLBの推進が必要不可欠な状況であると話されました。
学生に対しては、著しく変化していく社会の中で、周囲の環境に柔軟に対応できる能力を備え、自分なりのWLBを実現する力を身に付けることが大切であると説かれました。
また、聴講に来られていた元京都府知事である山田 啓二 法学部教授より、自分の人生を考える時に、何事も真面目に完璧にこなそうとするだけでなく、一生懸命取り組むなかで時には息抜きをすることも必要であるとメッセージが送られました。

講座の様子
講師:畑山 博氏
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