文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」でたん熊・栗栖 熊三郎氏が講義

2018.05.30

2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食。京都文化学科では、その和食の中でも代表的存在である「京料理」を中心に、和食の歴史や特徴、年中行事との関わりなどを学ぶ「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
学生からの質問に答える栗栖氏
講義では、第一線で活躍する京の料理人をゲスト講師として招き、生きた和食の魅力を考察する機会を設けており、5月30日(水)は京都を代表する料亭でもある、「本家たん熊」主人・栗栖 熊三郎氏を招いて講義を行いました。
北大路魯山人らに愛された「本家たん熊」は、「京料理の神様」と呼ばれた祖父でもある初代・熊三郎氏が創業。その祖父から、お客さんと会話をしながら、その人の料理の好みを知る「掛け合い仕事」の大切さを教わった栗栖氏は、今もおもてなしの心を大切にしながら質の高い料理を提供しています。
講義では初めに、文化学部京都文化学科4回生の作品が紹介されました。以前、栗栖氏の講義を受講した学生が、栗栖氏のもとを訪れて取材し、「京都が地位を高めた魚」として、鱧(はも)料理について特集面にしたものです。夏の京都には欠かせない鱧。その鱧を使った京料理や鱧を裁く料理人の包丁さばき等、詳細に記載された作品を、栗栖氏は高く評価されていました。
熱心に受講する学生たち
また、京都産業大学での講義が3年目となる今年は、「学生さんからの質問に答えたい」と、講義のほとんどを質疑応答形式にしたところ、学生からは、「懐石」と「会席」の違い(懐石:茶の湯での料理、最初に飯と汁が出る、会席:寄合での料理、最後に飯と汁が出る)や、料理を作るときに心掛けていること(素材の味を活かし、間とタイミングを大事にする)等、たくさんの質問が出て、どれも非常に良い質問だとお褒めの言葉をいただきました。

講義の最後に、「老成の美学」という言葉を紹介されました。歳を重ねることによりわかってくることがある、熟練の味というものがあると説明。「今はわからないかもしれないが、将来意味が分かったときに、今日の講義を思い出してほしい」と語り、学生は深い感銘を受けていました。

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