文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」で瓢亭・髙橋 英一氏が講義

2018.05.16

2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食。京都文化学科では、その和食の中でも代表的存在である「京料理」を中心に、和食の歴史や特徴、年中行事との関わりなどを学ぶ「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
講義では、第一線で活躍する京の料理人をゲスト講師として招き、生きた和食の魅力を考察する機会を設けており、5月16日(水)は「京の食文化とわたしのこだわり」をテーマに、瓢亭14代当主・髙橋 英一氏を招いて講義を行いました。
京料理のこだわりについて熱演する髙橋氏
髙橋氏は400年の歴史を育んできた料亭・瓢亭14代当主として、料理本の出版や大学等での講演・テレビ出演等を通じて、京の食文化を次世代へ伝えています。
講義では初めに、瓢亭の成り立ちについて紹介。当初は茶屋として創業したが、庭で飼っていた鶏のゆで卵を提供するようになり、それが今日の瓢亭卵の起源となったと紹介しました。
続いて、清水焼・漆・京菓子など古くから続く京文化の素晴らしさと京料理の種類について述べ、いろどりと形が美しい「有職料理」、寺院発祥の「精進料理」、お茶席の前に提供する「懐石料理」、町衆の「おばんざい」と、それぞれの魅力を紹介されました。
4つに分類される京料理には、大切に継承されてきた「こだわり」が存在し、室礼(しつらい)をしっかり整えることや、お米がくっつかないよう箸を少し湿らすこと、茶の湯を知っているかが重要となってくることなどをあげました。また、日本の包丁文化についても触れ、種類が多く独特であること、関東とは違い、関西では食材によって使い分けすると説明しました。
髙橋氏の話に真剣に耳を傾ける受講生
最後に、「わたしのこだわり」と題し、髙橋氏自身の料理へのこだわりを紹介されました。料理で一番重要となるのは「出汁(だし)」であり、使用する水によっても味が異なること、関西ではまぐろ節を使用し、それらはクセや臭みがないからだと理由を説きました。
私たちが実際に料理をする際に取り入れる、塩やみりん等の調味料の使用方法についてもアドバイスいただくと、受講生たちは目を輝かせて聴いていました。
講義終了後には、魚の美味しい調理方法について質問をする受講生の姿も見られ、第一線で活躍される方の貴重なお話に、みんな感動した様子でした。
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