京カレッジ大学リレー講座「‘重力レンズ’で見る宇宙」開催

2018.02.17

大学コンソーシアム京都加盟大学・短期大学が各校の特色を活かした講座をリレー形式で実施する、京カレッジ大学リレー講座の一環として、2月17日、キャンパスプラザ京都で理学部 米原 厚憲 教授が、「‘重力レンズ’で見る宇宙」と題して講義を行いました。

米原 教授は宇宙を調べるということを、暗くて一部しか見ることができない夜景から昼間の明るい風景を描きだすことに例え、探査機も到達できず、直接観測することもできない遠い宇宙や暗い天体を調べる方法の1つとして「重力レンズ現象」を紹介しました。

「重力レンズ現象」とは、宇宙空間において天体の重力により、更に遠方にある天体からの光の筋道が曲がることで我々に光が届く蜃気楼のような現象であることを説明。運動する恒星が別の恒星の前を横切った際の見え方のシミュレーション映像で紹介しました。また、重い恒星の集まりである銀河や、銀河が集まった銀河団はさらに重く、大きなレンズになり、遠くて暗い光でも増光して見えることを実際の観測例やシミュレーション映像を使って解説しました。

米原 教授は遠くの天体や惑星、ブラックホールなどの光らない天体などにアプローチし、「目には見えないもの」を見る重力レンズが、近年の宇宙研究のトレンドであることを紹介し、「目に見えないものを明らかにしていくことが宇宙を研究する魅力」であると語りました。

講座には、10代から80代までの幅広い層の受講生が参加し、「数式なしで、視覚的に解説してもらえて興味がもてた」「楽しい内容で宇宙が身近に感じられた」「見えないものに思いをはせる楽しさを知った」といった感想が寄せられました。

重力レンズ現象について解説する米原教授
光が重力によって曲がる様子を紙で表現
重力レンズで小さな遠方の銀河の構造を調べることができることを解説
銀河団による重力レンズで初めて観測が可能になった134億年前の銀河の赤ん坊を紹介
講座終了後は受講生からたくさん質問が寄せられた
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