「京都の伝統文化」で大蔵流狂言師 茂山 七五三さんが講義

2017.06.14

6月14日、共通教育科目「京都の伝統文化」で本学卒業生の大蔵狂言師の茂山 七五三さん(1970年・経済学部卒)が講義を行いました。今回の講義では、狂言の歴史や舞台、道具について説明されました。

能狂言の歴史について、芸能自体は奈良時代に中国や朝鮮から日本に、具体的には奈良に伝わってきました。それに日本人がアレンジを加えて、狂言の元となる申楽ができ、奈良から京都に伝わりました。京都ではもともと文化について厳しく取り締まられており、当時は舞楽・雅楽しかできず、京都の南の方から山科に抜けて申楽が入ってきたとされています。このことから、茂山さんは「申楽(狂言)は奈良で生まれ、京都で育った」と語られていました。

さらに、能と狂言における舞台の使い方の相違についても説明されました。能は常に舞台一面を使って演目が行われる一方で、狂言では舞台が対角線で表と裏とよばれる2つに分かれています。これは場面転換を行うときに表・裏を使い分けることで、筋売りと本題をわかりやすくすることができると説明していました。また、狂言は能のように常に面をつけるわけではなく、人間の表情では表せないものに限って面をつけると述べていました。

講義では、狂言で実際に使用される扇を用いた実演も交えられ、学生たちは舞台に変わった教壇で演技する茂山さんに熱い視線を送っていました。

【記事・写真:学生広報スタッフ 千石 里絵(経営・1年次)、村地 美涼(現代社会・1年次)】

様々な面を紹介
扇を使った演技も実際に披露された
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