文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」で京都・妙心寺東林院の住職・西川 玄房氏が講義

2017.04.26

2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食。京都文化学科では、その和食の中でも代表的存在である「京料理」を中心に、和食の歴史や特徴、年中行事との関わりなどを学ぶ「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
講義では、第一線で活躍する京の料理人をゲスト講師として招き、生きた和食の魅力を考察する機会を設けており、4月26日(水)は「精進料理」をテーマに、京都・妙心寺東林院住職の西川 玄房氏を招いて講義を行いました。
西川 住職は妙心寺僧堂で修行のあと、東林院に宿坊を開設、精進料理体験教室を開講したり、『禅寺のおばんざい』『やさしい精進料理』に代表される料理本を多数出版するなど、精進料理の普及に精力的に活躍しています。
精進料理と聞くと難しいものをイメージしがちですが、西川 住職は「季節に出回る素朴な材料を最大限活かし、親切、丁寧に心を込めて作るもの」と説明。また、「食事をいただく際には食材や、作ってくれた人、運んでくれた人、すべての人への思いやりを忘れないこと」と説き、ふだん生活するうえで忘れがちな、大切なことを思い出させてくれました。
質疑応答では、学生からたけのこや白菜の美味しいいただき方についての質問があり、西川 住職は「野菜は残さず使うこと」など一つひとつの質問にユーモアを交えながら丁寧に答え、教室は和気藹々とした雰囲気に包まれました。
講義の冒頭配布したパンフレット「精進料理献立」の中から「新ジャガのステーキ」などかんたんに作れるレシピも紹介され、最後に学生たちは食事に対する心掛けや作法について説いた「食事五観文」を全員で唱え、いのちをいただくことのありがたさを学んだ学生たちは、禅僧ならではの講義に深い感銘を受けていました。
西川 住職の講義を熱心に聞く受講生
精進料理について講義する西川 玄房住職
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