むすびわざ講座 教養コース「超高齢化時代の社会保障」開講

2016.11.26

11月12日・26日に、むすびわざ館で、生涯学習むすびわざ講座 教養コース「超高齢化時代の社会保障」を開講しました。

経済学部 福井 唯嗣 教授が講師となり、公的年金制度・医療・介護など、社会保障制度の現状と問題について講義を行いました。
1日目の講義では、「少子高齢化と社会保障」「公的年金制度、ほんとに大丈夫?」をテーマに、日本の現在の社会保障制度と社会保障財政を解説しました。今の社会保障制度を維持するのであれば現役世代の負担を増やす、老年世代の給付を削減する、人口を増やすという限られた選択肢しかなく、将来世代の負担を現役世代はどのように考えるのかが課題であると説明しました。また、公的年金制度について、マクロ経済スライドの死角について考察し、マクロ経済スライドが「100年安心」とされるには、定期的に見直しが必要であるとこも解説しました。

2日目の講義では、「これからどうなる医療・介護」、「『一億総活躍社会』の実現が意味するものとは?」をテーマに講義を行いました。
福井教授は、年金制度よりも給付を抑制すると生存権の保障問題に直結する医療・介護の方がより深刻な問題であると説明、現行制度のままでは若年者の医療・介護の保険料負担が2060年には約2倍になるため、解決策の一つとして、現在の保険料負担を高めにして保険料の余りを積み立てしておき、遠い将来の保険料を軽減する「平準化方式」を提案しました。また、安倍首相が打ち出している「ニッポン一億総活躍プラン」の問題点について、女性の社会進出を推進し、少子化を和らげるには、長時間労働が基本の男性の働き方、現在の暮らし方を変えなくてはならないと指摘しました。
参加者からは、「厳しい現実を認識した」「社会保障の問題は根の深い問題だと思った」「高齢者が健康で、社会で活躍することが国の負担を減らすことにつながる」などの感想が寄せられました。

1日目

①少子高齢化と社会保障
②公的年金制度、ほんとうに大丈夫?

2日目

①これからどうなる医療・介護
②「一億総活躍社会」の実現が意味するものとは?

社会保障費について解説する福井教授
活発な質疑応答、意見交換が行われた
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