京都文化学科「おもてなし文化論」で「たん熊本家」女将 栗栖 晴子氏が講義

2016.11.21

京都文化学科では、各界におけるもてなしの具体例、その精神を解明するほか、第一線で活躍する方々をゲスト講師として招き、生きた教訓を学ぶ専門教育科目「おもてなし文化論」(担当:吉澤 健吉 文化学部教授)を秋学期に開講しています。

おもてなしの心をわかりやすく講義する栗栖 晴子氏
11月21日(月)の授業では、京都鴨川のほとりにある京料理の老舗料亭「たん熊本家」女将(おかみ)の栗栖 晴子 (くりす・はるこ)氏をゲスト講師にお招きしました。
栗栖氏は女将として料亭を支えながら、初めてこられた方々がまた来店されるよう心をこめてお迎えするなど細やかな気配りをされています。
講義では、女将の仕事として、事前に準備をすること(ハード面)、その場において即興で対応すること(ソフト面)の2通りがあると説明され、日本料理を通じて、「たん熊本家」の「おもてなしの心」について経験を交えて、わかりやすくお話しをされました。
お客さまをお迎えするにあたり、事前に準備することは、お部屋にお客様ゆかりの掛け軸や季節のお花を生け、季節を感じられるお料理を味わっていただくこと。女将の着物や帯についても季節に合わせて変えていくこと。外国のお客様のために、ハラール(イスラム教)、コーシャ(ユダヤ教)の料理にも対応していると紹介されました。
即興で対応することは、商談、祝いの席、法事などケースバイケースでお客さまにご挨拶する内容を変えること、緊張したお席では、その場が和むような話をすることもあるとのこと。どんな話題にも対応できるようにするため、毎日、何社かの新聞には必ず目を通し、情報収集をするなど、日々、努力をされている様子がお話から伺うことができました。
最後に、盃(さかずき)を洗うための水を入れる盃洗(はいせん)を例に、実際に使用する器を使って盃の洗い方を紹介しました。学生たちは、女将としてお客さまを思いやる細やかな気配りを大切にされている姿勢や、料理、座敷を飾る季節の花や掛け軸などの写真を目にして、生きた「おもてなしの心」を学びました。
栗栖 晴子氏と吉澤 健吉 教授との対談
女将の仕事について熱心に聞き入る学生たち
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