海外サイエンスキャンプ(MSSL)実施報告会を開催しました

2016.10.19

10月19日(水)の5時限目に、理学部海外サイエンスキャンプ(MSSL)の報告会を実施しました。9月1日から11日の11日間、このプログラムに参加した理学部の3名の学生が、イギリスで実施された留学プログラムについて発表しました。

この留学プログラムは主に、2日間のロンドン市内社会研修、5日間のマラード宇宙科学研究所での研究とその期間中のホームステイから構成されています。まず、ロンドン市内社会研修は、英語を駆使して、自分たちの力でロンドンに滞在することが目的で、日本とは違う飲食店での料理や電車のこと、訪れた市場や科学館・博物館のことなど魅力的に感じた物事について、写真とともに紹介してくれました。いろいろな建物や場所を訪れる中で、街の歴史や文化を感じることができたようで、報告会参加者をもワクワクさせる内容でした。参加者の中で、道中に落とし物をした体験談の話があり、警備員の方の対応が日本と違い、最初は戸惑ったとのことでした。しかし、その時の経験を通じて、緊急時の英語力が試され、このようにして英会話が身に付いていくのだと実感したようです。

5日間のマラード宇宙科学研究所での研究は、学生1人に対して現地の大学院生1人が指導担当となり、その大学院生の研究の一端を経験する形で、学生それぞれが全く違うテーマの研究(惑星科学分野、太陽物理学分野、宇宙物理学分野)に取り組みました。研究内容に関しては、学生が各自の興味に沿ったテーマを選んだこと、また事前研修のサポートがあったことで、物理現象の理解やプログラミングの基礎でつまずくことは無かったそうです。それでも分からないことが多くあったようですが、指導担当の大学院生や周りの研究者の方々がとても暖かく対応していただいたおかげで、気軽に何でも質問でき、更には研究の議論までできるほど話が進むこともあったそうです。学生は、ただ指示されたことをこなすだけではなく、研究内容を理解し、取り組むことで貴重な体験となったことが、それぞれの話からはっきりと伝わってきました。

最終日にはそれぞれが研究成果のプレゼンテーションを英語で行い、報告会の中でもその内容や苦労話、プレゼンテーション後の充実した思いについて話がありました。参加者は、5日間では時間が足りなかったと感じたようで、「もっと課題に取り組みたかった」、「時間があれば研究をもっと突き詰められた」と心残りであるようでした。今後の自分たちの課題についても語られ、プログラムをとおしての経験は将来を考ていく上で、とても良い機会になったことをうかがい知ることができました。報告の中で、「(知識の面で)何かを得てやろうと望むのではなく、その研究室の雰囲気を感じること、社会の環境の雰囲気を感じる研修だった」と話した参加者がいました。専門や語学面での勉強はもちろん大事で、日本でも様々なことに取り組むことができます。しかし、ホームステイや研究所での人との関わりといった現地でしか味わえない経験をとおして、自ら積極的に挑戦する大切さを、このプログラムで身に付けてきたようでした。

日本ではできない体験や経験をすることがこのプログラムの重要な目的の1つですが、その事を学生が自ら感じ取れたことが分かり、報告会を通じてこのプログラムが意義のあるものであったと感じることができました。

(理学部物理科学科 3年次 西出 朱里)

現地で行った研究を英語で発表
研究成果を英語で発表
研修に参加した目的についてのプレゼン
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