卒業生がドイツ平和村での活動に関する講演を行いました

2016.04.22

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トピックス教育外国語学部
2016年4月22日(金)に、ドイツ語学科卒業生の髙遠 由香子さん(2012年卒)と鍋島 希さん(2016年卒)によるドイツ平和村での活動に関する講演が行われました。この講演について、お二人から熱いメッセージが届きました。

髙遠 由香子さん

2014年7月から9ヶ月間、ドイツ国際平和村(ドイツ語でFriedensdorfというドイツのオーバーハウゼン市にある施設)で私はボランティアをしていました。ドイツ国際平和村では、母国で治療が難しい怪我や病気をもった子供たちを連れてきてドイツの病院にて無償で治療を行い、元気になったら母国へ返すという活動を行っています。アンゴラ、アフガニスタン、タジキスタンなど常時9ヶ国ほどの国から150~250人の子供たちの受け入れをしています。

私の仕事は子供たちが病院に行くまでの準備期間、また病院から治療を終え、戻ってきた子供たちの身の回りのお世話をすることでした。平和村には8ヵ月~高校生くらいまでの子供たちがいて、私はその中の一番小さな子供たち、8ヵ月~6歳くらいの子供のお世話をしていました。
早番、遅番と仕事が分かれ、朝、子供たちを起こし、歯磨きをさせ、おむつを変える。朝昼晩の食事、遊びの時間、昼過ぎにはお昼寝の時間があり、夜になるとお風呂に入れ、パジャマを着せ、寝付かせる。子供たちは、病気や怪我の症状が様々であり、遊んでいる時間も常に目を配らなければなりません。

私がこの施設を知ったきっかけは、大学4年次、卒業生の先輩による講演でした。私の中でとても印象に残る話で、いつか必ず行こうと決めた瞬間でもありました。就職した後、やはり平和村に行こうと改めて決心しました。平和村で、初めて子供たちに会ったとき、予想はしていたものの実際会った子供たちの怪我や病気の症状に目を逸らしてしまいたくなる現実が広がっていました。地雷を踏んで両足が切断されている子、人工肛門をつけている子、顔面火傷を覆っている子。着いたばかりの頃は、私がこの子たちの面倒を見ていけるのか、正直なところ不安にもなりました。しかし働き始めて子供たちと関わりはじめると中身は本当に年相応の子供たちで、わがままも言えばダダを捏ねる子もいて、毎日注意することも多くありましたが、遊んだり、工作をして紙で王冠を作ってみんなで頭につけたりと、一緒に笑う機会もたくさんありました。

またプラクティカントと呼ばれる私たちボランティアですが、ドイツ人、日本人だけではなく、トルコ人、カンボジア人、フランス人と多国籍にわたる方たちと共同の建物に住み、日本料理を振る舞ったり、誕生日パーティーをしたりして楽しむこともあり、子供たちを含めてスポーツをしたり、時には仕事の話を真剣にすることもありました。ドイツ語で分からないことはきちんと分からないと伝え、詳しく説明してもらうようにし、コミュニケーションをとっていたことが私にとっては、言語修得においても、コミュニケーション能力においても大きな成長になりました。

子供たちの中で特に私がお世話をしていた1番小さな子たちは、知らない間に親元を離れ、見たことのない人たちに囲まれて、ドイツに着いたときは泣き、ずっと無言でいる子も珍しくはありません。その中で徐々に環境に馴染み、ドイツ語もみるみるうちに喋れるようになりました。子供の適応力を見ると親元を離れ、寂しい思いをしていることを忘れてしまいがちでした。しかし年に4回ある援助飛行で治療が終わり、帰国が決まった子の喜ぶ姿、まだ治らず帰国出来なかった子の悲しそうな姿を見るたびに、この子たちは普段は全く見せないけれどやはり寂しい思いをしているのだな、と感じ、それを私たちも常に心に止めておかなければならないことだなと思い返す日々でした。

普段耳にするニュースには限りがあります。その中で自ら調べ、正しい情報を選び、またきちんと知っていかなければならないことを私はドイツ国際平和村でのボランティア活動を通じ、学びました。世界で起こっていることに興味を持ち、知ることの大切さ、そして日本にいては見えない世界で起きていることをしっかり受け止め、一方向からだけでなく多方面から世界を見てほしいと思います。
4年間という長いようで短い大学生活ですが、自分が興味を持つことを学び、また世界にも是非出て行ってほしいと思います。大学生活の過ごし方のヒントに少しでも私の体験レポートが役に立てばいいなと思い、書かせて頂きました。

鍋島 希さん

平和村についての講演をして

今回ドイツ国際平和村についての講演をさせていただきありがとうございました。私たちにとっても非常にいい経験になりました。皆さんにとっても平和について考えるいい機会になったのではないでしょうか。日本ではあまり平和や戦争について何か考える機会はないように感じます。ドイツではかなり平和教育に力をいれ、ひとりひとりが平和について真剣に考えているように感じました。また、自分がどれほどいい加減に勉強してきたのかも思い知りました。

講演の感想を読んでみると、皆さんが本当に真剣に聞いてくれたことが分かり感激しました。特に痛々しくて見てられなかったという意見が多かったのですが、残念ながら平和村には講演で使用した写真の子どもたちと同程度か、さらに症状が悪い子どもたちがたくさんいます。そして彼らの母国に行けばさらにたくさんの子どもたちが苦しんでいます。その中で平和村に来て治療が出来るのはごくわずかです。もし皆さんがドイツに来る機会があれば、ぜひ一度オーバーハウゼンにある平和村に足を運んで自分自身の目で戦争や貧困の被害にあっている子どもたちを見てください。見た感じでは子どもたちは怪我や病気に負けずいつも楽しそうに平和村の中で遊んでいます。しかし病気や貧困が与える影響は子どもたちの心の成長に確かに悪影響を及ぼしているように感じました。

講演を通じて私が伝えたかったことの一つですが、ぜひ日本やドイツ、EUの国々だけではなく色々な国のことに興味を持ってほしいと思います。私が平和村で研修を開始する前、毎日のようにガザ地区のニュースが報道されていました。世界中が注目したガザ地区のニュースはイスラム国のニュースが報道され始めると少しずつ減り、難民問題が報じられるようになると消え去ってしまいました。ガザ地区の問題はもう解決されたのでしょうか?アフガニスタンでは毎週のように自爆テロが発生し、たくさんの人が犠牲になっています。私たちの知らないところで様々なことが起こっています。その全てのことを知ったり考えたりすることは不可能ですが、一つでも多くのことに興味を持ってほしいと思います。


最後に、私たち二人に講演の時間を提供してくださった杉村先生をはじめとするドイツ語学科の先生方、聞きに来てくださった全ての方、本当にありがとうございました。私たちのみならず、ドイツ国際平和村の日本人スタッフ一同感謝の気持ちでいっぱいです。私たち二人で終わりになるのではなく、後に続く京都産業大学の後輩が出てきてくれれば光栄です。私は登録ボランティアとして平和村にたまに行くので後輩と一緒に働ける日が来ることを楽しみに待っています。
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