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地方創生住民の想い

学生の感性をまちづくりに生かす
「鳥取県ふるさと創生応援隊」

  • 法学部 3年次
    中山 莉花さん
  • 法学部 3年次
    兼松 達二さん

豊かな自然に囲まれ、穏やかな時が流れる鳥取県湯梨浜町。この町にかつての賑わいを取り戻したいという声に応え学生が学生目線の発想で、まちづくりの方策を提案していく。法学部の学生たちが授業の一環で取り組む「鳥取県ふるさと創生応援隊」の取り組みでは、湯梨浜町泊地域の住民で構成される「泊地域小さな拠点検討協議会」と協働し、この地域を活性化させる施策を検討している。住民たちが今よりもっと暮らしやすく、他の地域からも移り住みたくなる地域にするために、住民の想いと学生の感性がむすびつき、町に希望をうみだしていく。

今回、この湯梨浜町での取り組みに参加しようと思ったきっかけはなんですか?

兼松さん:私は将来、地方公務員として働きたいと考えているので、そのために必要なさまざまな力をつけられるのではないかと思い参加しました。私の出身地でも、過疎化や高齢化により行政サービスの民営化が進められてきています。民営化によって、財政健全化やサービス向上が期待できる場合もありますが、長期的な地域全体の魅力向上につなげるためには、民間委託だけでなく、市民参加・協力を視野に入れた行政サービスの提供が必要になってくるのではと考えています。また、一方で市民・事業者・行政が協働する“新しい公共”と呼ばれる概念もあります。地域住民同士が多様な価値観に触れながら協働し、サービスを行っていく。住民自治を持続的に実現するためには、この“新しい公共”という観点も重要だと感じています。今回、湯梨浜町での「小さな拠点」事業を進め調査していくにあたって、この“新しい公共”を踏まえた内容を追求していきたいと考えています。

中山さん:私は、まちづくりに興味があり、初級地域公共政策士の資格取得を一つの目標としています。この資格取得に向けたプログラム科目として湯梨浜町の活動に出会いました。フィールドワークを通じて一層自分を高め、成長に繋げることができると考えさらに力をつけたいと参加を決めました。

喜多見先生:座学だけでなく、日帰り調査や合宿調査など、実際に現地を訪問する機会も設けているので、町の人々の思いというものをできる限り受け止めて、形にするための提案をしていけると良いですね。

遠藤会長:私にとって、この湯梨浜町は生まれたときから住んでいる町で、とても思い入れがある土地です。これから京都産業大学の学生さんたちとどんなことができるのかとても楽しみですし、若い方がどんな街だったら住んでみたいと思うのかぜひ知りたいですね。自慢できる自然環境はたくさんある町なので、その中でもどこに魅力を感じるのか教えていただきたいです。


兼松 達二さん
中山 莉花さん
泊地域小さな拠点検討協議会会長
遠藤 公章さん
法学部 喜多見 富太郎 教授

鳥取県ふるさと創生応援隊の活動を通して、今後学びたいこと、調べていきたいことは何ですか?

兼松さん:鳥取県は人口最少県で、少子高齢化が大きな課題となっていると思います。ただ観光客が増えるだけで、町の人口が増えないようでは、本当の地方創生とは言えないと思っています。ですから、今回の活動では①少子高齢化の原因と対策、そして②地方創生のための活性化施策という2つの観点を意識しながら学んでいきたいと考えています。

中山さん:私は主に鳥取県へU・Iターンされた方のリアルな声を聞きたいと考えています。鳥取県は、京都府に住む私にはあまりなじみのない土地ですが、今回こうして住民の方々と関わらせていただく機会を得たので、鳥取県全体のまちづくり施策についてももっと知りたいと思っています。

今回初めて湯梨浜町を視察して、町の印象はいかがでしたか?

中山さん:とにかく景色が良くて、町の人も温厚で優しい方が多いと感じました。みなさん親切にしてくださるので、鳥取県の魅力は“人”でもあるのだと感じました。鳥取県を訪れるのは初めてで、まだ知らない観光地や魅力がたくさんあると思うので、プライベートでも遊びに来たいなと思っています。

喜多見先生:この町には、上手く宣伝しきれていない魅力がまだまだたくさんあります。ただ、他の地域の人々がその良さに気付いていないんですよね。実際にこの地を訪れてみて初めて分かる、感じることがあると思うので、学生にはそういった視点を生かしながら取り組んでいただきたいです。

兼松さん:今回の視察で、泊地域小さな拠点検討協議会の方々のお話を伺いましたが、その中で遠藤会長が「湯梨浜町泊地域に住む方が今後も地域で暮らし続けていくために、生活・福祉サービスや地域活動などさまざまな機能をつなぐ小さな拠点をつくっていく」ということをおっしゃられました。実際、少子高齢化が深刻化している湯梨浜町の住民の方たちは、普段の生活を送ることにも不便さを感じているのではないかと思いました。高齢者が病気になった際の救急の対応や、町の声掛けシステムなどにもとても興味があります。地域が抱える問題解決のために、今回の取り組みはとても大きな役割を果たすと思うので、きちんと向き合いながらアイデアを練りたいと思います。

遠藤会長:私たちとしては、高齢者への行政サービスに加え、若い人口に向けた取り組みにも力を入れていきたいと考えているんです。子どもが遊べる場所をもっと作ったり、空き家を利用して他の地域からの移住者を増やしたり、町に活気が出るような施策を考えていきたいと思っています。京都産業大学の学生さんたちは皆さんすごく自然体で、積極的にお話をしてくれる印象ですので、これからいろんな意見を聞きながら、一緒に考えていってもらえるととても嬉しいですね。

それでは、今後の目標や展望をお聞かせください。

中山さん:今後は合宿調査や学内での調査・分析などを進め、私たち学生目線の案を練り、協議会や地域の方々が集まる会合で、さまざまな提言を行っていきます。行政の方や町の方へのヒアリングを重点的に行い、資料やデータからだけでは分からない、実際に現地で調査をしたからこそ分かる情報を集め、提案に生かしていきたいと思います。また、ゼミでの活動を通して、みんなと協力しながら自分たちで考えて自主的に学びを深める力が身についてきたと思うので、今後もその力を伸ばしながら、目標達成に向けて頑張りたいと思います。

兼松さん:提言を行う際はとても緊張すると思うのですが、考えてきたことがきちんと伝わるよう、自信を持って発表を行いたいと思っています。普段は人前に出て何かをするということが得意ではないのですが、このプレゼンテーションでの経験を自分の将来の糧にしていければと考えています。目標とする地方公務員となった時に、日々の公務を誠実に行いながら住民との対話も大切にし、住民のニーズを反映した政策提案ができるような人物になれるよう、今から意識して取り組みたいです。

喜多見先生:学生の中には、SNSを使ったまちづくりに興味を持っていたり、地域政治の視点から新しいまちづくりを考えていたり、たくさんの学生がいます。それぞれの学びや興味から生まれる多様なアイデアを取り入れた学生独自のご提案ができるといいですね。学内調査では、湯梨浜町の地図を調べながら、町の施設分布や利用状況といったデータから改善案を検討しています。高齢化への対策も必要ですが、少子化問題、若い世代を呼び込む工夫が大事になってくると思いますので、その部分で学生の力を存分に発揮してほしいです。

遠藤会長:近年話題になっている、バックパッカーなどに向けたゲストハウス事業などの例は、特に若い感性が生きた例だと思います。私たちの時代には、旅で現地の人とふれあい、そこに移住するといった考えはありませんでしたからね。時代とともに、町の在り方も人々の感覚も変わってきているので、既成概念や商業主義に捉われたまちづくりではなく、生活に根差したスタイルで、若い世代の感性をプラスしたまちづくりを行っていきたいと思います。皆さんの意見にとても期待しています。

※掲載内容は取材当時のものです。

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