025
京の伝統海外発信

京都の歴史や文化をむすぶ架け橋となる
「京都市認定通訳ガイド」取得に挑戦

  • 文化学部 京都文化学科 2年次
    鎌倉 舞友さん
  • 文化学部 京都文化学科 3年次
    高石 美優さん

京都市独自の資格「京都市認定通訳ガイド」取得に挑戦する学生がいる。京都産業大学では、京都市と連携し、この資格の専門研修として文化学部京都文化学科の科目提供を行っている。参加する学生たちは、授業で京都の専門知識を学び、フィールドワークを通して観光ガイドのスキルやおもてなしの精神を学習する。京都市認定通訳ガイドの取り組みのほか、英語による京都文化・日本文化の発信をフィールドワークで実践する専門教育科目「サマーキャンプ」を開催。身につけた京都の歴史や文化の知識を生かして独自の観光ガイドラインを作成し、実際に京都の街に出て英語で観光案内を行った。学生たちは、近年高まる訪日観光客の関心と、京都の歴史や文化をむすぶ架け橋となり、京都の魅力を発信しながら国際理解をうみだしていく。

「京都市認定通訳ガイド」に挑戦しようと思ったきっかけは?

高石さん:きっかけは高校時代の留学経験でした。ニュージーランドへ行ったのですが、ホストマザーが観光業のお仕事をされていて、さまざまな場所を案内しながら面白おかしく話をしてくれるのがとても格好良く見えたんです。私も彼女のようになりたいと憧れを持ち、ツアーガイドの仕事にも興味を持ち始めました。

鎌倉さん:私も留学時の経験がきっかけです。ステイ先の家族と日本の文化や歴史について話していた時に、知識がなくて全く話せなかったんです。英語のスキルもなかったので、言いたいことが伝えられず、もどかしい思いをしました。それが悔しくて、今回京都市認定通訳ガイドというものがあると知り、授業を受けようと思い立ちました。もっと英語で日本のことを説明できるようになりたい、というのが一番の目標でしたね。

鎌倉 舞友さん
高石 美優さん

役立った授業や印象的な出来事はありますか?

鎌倉さん:毎週末に1回、一日講習があるんですが、そこで日本文化の勉強やツアーガイドの方法、ホスピタリティなどの勉強をしています。笑顔の練習のために、隣の席の人と向かい合って「10秒間見つめ合ってください」といった授業もあり、楽しみながら取り組むことができたと思います。

高石さん:授業の中でためになったのは、海外の人の考え方です。実際に活躍されているガイドさんから聞いたお話ですが、日本人に向けて説明するときと海外の人に向けて説明するときでは全く内容が違うそうなんです。彼らからすると、「なんでしめ縄ってあるの?」「どうして鳥居は赤いの?」といったことがそもそも不思議で面白いんですよね。私たちだったら、その時代の出来事や年号などに関心がいきますが、海外の人はその理由や過程、さらに日本人は当たり前に感じていることを知りたいと思うんです。実地研修で実際に外国人留学生の案内をした際にも、そういった発見がたくさんあって勉強になりました。

鎌倉さん:あと、受講しているのは学生よりも社会人の方が多いので、普段大学で会うことのない人たちと交流できるのも刺激になりました。主婦の方に、結婚後の生活のお話を聞いたりしたのも楽しかったですね。

これまで勉強してきて、自身のためになったことや成長を感じたポイントはありますか?

高石さん:自分の中で一番大きかったのは、英語を使って仕事をするという大変さを実感できたことです。一緒に学ぶ社会人からたくさんアドバイスをいただいたり、将来についても考える機会が増えたことが成長の第一歩になったのではないかと思います。中でも心に響いたのは、「まだ若いんだからいろんなことができる。時間はたくさんあるし、少しずつ勉強すればきっとなりたい自分になれるよ」という言葉。それまで周りと比べてあまり自分に自信が持てなかったのですが、この言葉に励まされました。このアドバイスを胸に、今後も少しずつ成長していきたいです。

鎌倉さん:私は、座学だけでは知識を上手く自分のものにできていないと感じていたので、実践的な授業がすごく自分のためになったと感じています。通学途中に地下鉄で、外国人観光客が隣の席の日本人に話しかけている場面に遭遇したことがあったのですが、話しかけられた方も英語が分からない様子でした。その時に、自分から「私が説明しますよ」と声をかけることができたのが、一番成長を感じた瞬間ですね。自分から積極的に話しかけるということも少しずつ意識できるようになったと思います。

これから、その力をどう生かしていきたいですか?

鎌倉さん:そもそものきっかけが、日本のことをホストファミリーにちゃんと伝えたいということだったので、ガイドの資格を取り、もっと勉強して自信が持てたら、留学時代にお世話になった人たちに日本について教えてあげたいです。近日中に、タイへ留学に行くんですが、そこでこれまで勉強したことを話したいと考えています。日本の良さは、やはり実際に訪れてみないと感じられないと思うので、「日本に行ってみたい」と思ってもらえるように、自分自身も海外に行って日本の良いところをPRしていきたいと思っています。

高石さん:私も留学先の人と会う機会があれば、こんなに話せるようになったよと成長した自分を見せたいですね。普段の生活の中でも、京都は観光地で外国の人も多いので、道に迷っている人や困っている人に自分から声をかけたり、アルバイト先の飲食店でお客様に丁寧に接客をしたりを心掛けたいと考えています。これは日本のおもてなし文化を伝えるうえでも役立つと思うんです。おもてなし文化は世界に誇れるものだと思っているので、日本の人柄の良さをアピールできるよう、普段から意識していきたいと思っています。

最後に、京都文化学科で学ぶ魅力を教えてください。

高石さん:やはり、先生方が心から京都を好きでいらっしゃるところでしょうか。さまざまな研究や取り組みをされているので、京都について深く学べるというところに魅力を感じます。また、伝統工芸士さんや職人さんとつながりのある先生が多く、実際にお話を聞きに行くなど、リアルな体験ができるところもポイントだと思います。

鎌倉さん:今回の通訳ガイドの講習もそうですが、祇園祭での実習など京都文化学科があるからこそできる、京都産業大学だからこそ体験できることがたくさんあります。キャンパスだけでなく学外での勉強もたくさんできるというのがいいところだと思います。これからもこの機会を生かしてスキルを伸ばしていきたいですね。

※掲載内容は取材当時のものです。

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