015
多言語おもてなし

英・韓・中の3言語で、わくわくする京都観光ガイドをつくる

  • 外国語学部 3年次生
    上倉 香澄美さん
  • 外国語学部 3年次生
    木下 富夢さん
  • 外国語学部 3年次生
    村上 文野さん

【むすぶ人】外国語学部 アジア言語学科 関 光世ゼミ3年次生

京都の冬を彩る嵐山・東山花灯路。近年急増している海外からの観光客にもイベントをより楽しんでもらうため、日本語版しかなかった案内マップを本学学生が英語・韓国語・中国語の3言語に展開した。中国語版の翻訳に取り組んだ外国語学部関ゼミでは、京都独特のフレーズや親しみやすく名付けられたイベント名のニュアンスをそのまま伝えるにはどう訳せば良いか話し合いを繰り返し、マップを手に取った中国人観光客がワクワクした気持ちでイベントに参加できるよう、「おもてなし」の気持ちで分かりやすく臨場感のある翻訳を心掛けた。大学での普段の学びが、国境を越えて人の役に立つ。その喜びと経験がモチベーションとなり、学びの深化と新しい地域貢献をうみだしている。

活動の内容について教えてください。

木下くん:12月9日~18日に開催される嵐山花灯路、来年の3月3日~12日に開催される東山花灯路に向けて、中国人観光客がより楽しめるように、イベントマップの翻訳を行っています。

村上さん:これまでは日本語版のマップしかなく、海外からの観光客にとっては分かりづらい部分もあったと思います。そんな中でゼミの先生からマップ翻訳の話を聞き、自分の語学力向上のためだけでなく、人の役にも立てるのであればと翻訳に取り組みました。

上倉さん:基本的には辞書などで調べながら、ゼミの先輩たちにも添削してもらったり、中国語話者により自然な表現を教えてもらったりしながら翻訳しました。

上倉 香澄美さん
木下 富夢さん
村上 文野さん

翻訳の際、意識をしていることはありますか?

木下くん:いかに日本語のニュアンスを崩さずに表現するか、というところを一番意識しています。京都は独特な表現がたくさんあり、直訳するときちんと意味が伝わらなくなってしまうんです。似たような言葉を何度も探し、より適切な表現ができないか話し合いました。

村上さん:「ライトアップされる」や「生け花プロムナード」など、カタカナの言葉も難しかったです。プロムナードはフランス語で散歩・散歩道といった意味なのですが、今回はイベント名として使われているので、直訳ではイベントの雰囲気が伝わりにくいなと思い、どう伝えようか悩みました。

上倉さん:ほかにも「お絵かき行灯」の「お絵かき」も苦労しましたね。日本語ならではの柔らかい雰囲気や言い回しがしっかり伝わるような翻訳でないと、観光客もイベント本来の楽しさを味わえないので。イベント自体を楽しむのはもちろんなのですが、マップからも花灯路の雰囲気を感じてもらえるように意識していました。

翻訳マップの作成を通じて得たものや、自身の成長を感じたできごとはありますか?

木下くん:今までは海外の友人とSNSでコミュニケーションをする際に、簡単な中国語を使う程度でした。その時は、話し言葉の中で相手に伝わればいい、というような軽い言い回しもよく使っていたのですが、今回は世の中に出回る文章だったので、オフィシャルな場で使用する丁寧な中国語を学べたのが大きかったです。

村上さん:これまで授業でもいろいろな翻訳をしてきましたが、観光の分野は初めてだったので、新しいフレーズやイディオムを習得することができたと思います。少しずつ使える言葉が増えていくのはとても嬉しいですね。

上倉さん:私は、母親も少しですが中国語を話せるので、母とたまに中国語で日常会話をするんです。その時に、会話がスムーズに進められたり、分かる言葉が増えたりしていると成長を感じます。また、花灯路のイベントにもとても詳しくなりました。翻訳によって語学力を伸ばせるだけでなく、京都の文化や取り組みについても知ることができ、一石二鳥の活動だと思います。

今後の目標を教えてください。

上倉さん:まずはこのマップをたくさんの人に利用していただきたいです。マップを通して、花灯路に行きたいなと思うきっかけづくりができたら嬉しいですね。また語学面では、今回得た知識をどんどん使って、確実に自分のものにしていきたいと思います。

村上さん:海外からの観光客は、慣れない土地に来て不安な面もあるはずなので、そういう時にこのマップを役立ててもらい、観光を楽しんでもらいたいです。それに加えて、私たちがこういった活動をしているということをたくさんの人に知ってもらえたらいいなと思っています。私個人の目標としては、この翻訳活動を通して学んだ、知らなかった中国語や翻訳・表現の手法などを今後の学習に生かしていきたいです。

木下くん:今までは自分のためだけに勉強をしてきましたが、今回の活動で初めて自分の勉強が誰かの役に立つ、という経験をさせていただきました。楽しさはもちろん責任感も感じることができ、もっと学びたいというモチベーション向上にもつながったので、今後も自分の学びを社会に生かせる機会があれば積極的に参加していきたいと思います。

最後に、京都産業大学外国語学部の魅力を教えてください。

上倉さん:今回のような地域に貢献できる取り組みをはじめ、いろんな経験ができるところです。有名な先生方も多く、私のゼミの先生も中国でアナウンサーができる資格を持っている方で、そういったお話を聞けるのもとても貴重な体験だと思います。

木下くん:勉強する環境が整っているところです。4月にできたサギタリウス館のグローバルコモンズがとても使いやすいですね。参考書がたくさんあり、留学生もたくさんいるので外国語も自然と聞こえてきます。集中しやすくて居心地がいいので、グローバルコモンズを利用するようになって自習をする時間が増えました。

村上さん:施設が整っていることもそうですし、学校全体で学生をサポートする体制が整っているところが良いと思います。周りの学生も活発で積極的な学生が多くて刺激になり、私も頑張ろうという気持ちが湧いてきます。中国語ももっと勉強して、何らかの形で社会に生かしていけたらいいなと思います。

※掲載内容は取材当時のものです。

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