加茂祭絵巻
紙本白描 1巻

鎌倉時代に描かれた賀茂祭図の模本。本奥書から、原本は亀山院で行われた絵合に際し、
経業が調進した、絵は藤原為信筆、詞は定成筆であったものであるが、一般には、
この原本を元徳二年閏六月中旬ころ、絵を絵所預高階隆兼、詞を季邦朝臣が写した写本が
流布し、産大本もその一つである。奥書から、この隆兼系写本を寛保三年に写した本を
さらに明和七年に写したものである。底本の医玄髢{が寛保写本であるかは不明。
この模本は岡田紫郊が明治十八年に渡辺氏から譲り受けたとの識語がある。
加茂祭絵巻は詞書で三段に分けられる形式と詞書を冒頭に置き、連続した画面に編成した
形式の二種があり、後者は近世の祭礼が反映しているとされる。京産大本は後者に属す。